uco Earp notes

ワイノナ・アープ Podcast「Tales of the Black Badge」キャストインタビュー拙訳 blog for Earpers and LGBTQ+ people

Wynonna Earp Podcast Shamier Andersonインタビュー拙訳

『ワイノナ・アープ(Wynonna Earp)』Podcast:「Tales of the Black Badge

BBD エージェント、グザヴィエ・ドルス役 シャミアー・アンダーソン(Shamier Anderson)インタビュー回(62回)拙訳

(全体を通して意訳を含み、完全なネタバレを避けるため全訳ではない。あえてくだけ口調。ネタバレあり。)

 

ホスト:ケヴィン・バチェルダーボニ―・フェラー

ゲスト:シャミアー・アンダーソン

 

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(日本からは Wynonna Earp | Netflix でシーズン1が見られます。)

 

 

ボニ―(B):ドルスのことだけじゃなく、彼自身のプロジェクトについても聞けてよかった。
ケヴィン(K):彼も多忙だけど、いつも真摯に話してくれるね。

ケヴィン:では、我らEarperお気に入りのドラゴンに話を聞いてみましょう。


B:セクシー・ドラゴンさん、ようこそ!
シャミアー(S):そんなニックネーム初耳だよ?(笑)

B:前回のインタビューからドルスも色々と展開があったけど、火を噴くなんて脚本を読んだ時はどう思った?
S:撮影してる時は実際に火を噴くわけじゃないしCGなわけだけど、出来上がりを見てすごくわくわくしたね。
B:たくさんの人がヘビやトカゲやビーストじゃないかって推測していたし、あなたはユニコーンか何かだといいなと言っていたけど、ドラゴンだったとはね。すごくかっこいいキャラ展開よね。
S:そうだね。すごく気に入ってる。エミリーや脚本チームはものすごく時間をかけてクリエイティブにあのプロットを作ってるんだよ。
K:その通り。あれほどクリエイティブなストーリーの中で、キー・キャラクターの1人を演じられるってのも最高だよね。

ところで、ドック(・ホリディ)とドルスの関係については、ティムとはどうやってあのダイナミックな関係を作り上げているの?

S:うーんと、あれはティムと2人だけで「今日はこれをこうしよう」と作っているわけではなくて、脚本チームや編集やあらゆる要素が重なって形成されていくものなんだ。ティムとは仲も良いからそれも画面に伝わってはいると思うけど、お互いにそれぞれの働きをしている。それと「ワイノナを守る」という共通の目的があるから、ドックとしてのやり方と、ドルスとしてのやり方が合わさって出来上がっているものだね。

B:その通りね。ドルスとドックのブロマンスも大好きよ。2人ともシリアスな設定じゃない?でも、加えてユーモラスでもある。新キャラのジェレミー(元BBDの研究者)もね!3人一緒のシーンなんて毎回笑っちゃう。
S:ジェレミー(ヴァルン・サランガ)の投入は最高だよ。彼のおかげでさらに多様な視点が生まれているし、なによりコメディ要素には本当に最高の新キャラだよ。編集の過程でカットされてしまっていることもあるけど、笑えるシーンもたくさんだし、NGシーンも傑作。
B:ティムが先日番組放送後のネットイベントに参加してくれたんだけど、同じ様なことを言っていたわ。207話で超笑える場面があったって。
S:あー、ええとね、詳細は言わないけど、トリオのシーンで。僕と、ジェレミーとティムの間にとあることが起きた(笑)見てのお楽しみ。

(中略)
K:ケイト・ドラモンド(ルカド捜査官)とのアクション・シーンについて聞かせて。
S:ケイトとのシーンは素晴らしかった!彼女は、ハッキリ言って、とにかく心優しい人。こう言うと恥ずかしがるだろうけど。超優しい(sweet)人なんだよ。見た目通りかっこいい人なのに、アクションする度に謝るんだよ?「OMGうまくできてた?これで大丈夫?」って聞くんだよ、信じられる?普段はアクションをあまりしないから緊張してたみたいで。もちろん、見ての通り、完璧にこなしていたけどね!まぁ、何回かパンチ食らったりしたけど(冗談)、ケイトと組むのはすっごく楽しかった。

B:あの格闘シーンの99%は全部スタントなしだったんでしょ?!
S:そう、残りの1%はドルスがガラスに突っ込むところだったから、それはやらせてもらえなかったんだ。まだ先があるからね。自分でやってもよかったけど、エミリーはぜったいダメって言うだろう(笑)

B:ケイトといえば、あの展開になったわけだけど、(中略)ドルス的にはどう感じたのかって気になっているファンもいるわ。
S:それは多分この先の回で分かると思うけど、ドルスにとってBlack Badge Division(BBD)はとても大きな存在だし、彼にとってはBBDしかないわけで、個人的な感情も絡んでくると思う。ただ、彼はこれまでの習性で、過去に捕らわれないでいるタイプなんだ。とはいっても、時にはそうじゃないこともあるけどね。ワイノナのこととか、ドックとか。

B:なるほどね。そうそう、ワイノナのことはとても気になっているわよね。彼女が妊娠してるって分かった時の、あの人間味あふれる表情。
(中略)
S:そうそう。S1と比べてS2はかなり感情を表に出していると思うんだ。そこに注意して演じているよ。

K:ドルスの変化が見てとれて、すごくいい描写になっているよね。ファンからの質問なんだけど、ドルスの演じ方を変えたの?それとも彼の変化で演技アプローチが変わったのか、具体的に何か変えたことはある?

S:うーん・・キャラの背景を汲みこんだり、スクリーンに映るやりとりとか、そこに至るまでの過程を考えての演技だね。想像の世界を創り上げるという、役者として毎回やること。ファンも脚本も最高だけどそういうことだと思う。

B:個人的にはドルスは内に壁を作っているけど、ワイノナといる時にはその壁が崩れて、彼女だけがその壁を壊せる人のように見える。さらにはウェイバリーやドックといった他の仲間といればいるほど、その壁を維持できなくなっているように見えるわ。

S:完全に同意。ドルスは「人間っぽい(Human-ish)」んだよ。ほぼ人間。どんな人も、どれほど鍛えようと、警察や軍などの組織の中にいてどんなに厳格でいようとも、人間には心がある。で、ドルスはパーガトリーに来て、ワイノナ、ウェイバリー、ドック、ニコールたちと一緒にいればいるほど、人間的にほぐれていくんだよ。彼らは結局のところ、家族だから。上司のルカドがパーガトリーを壊そうとした時に、ドルスはクビを覚悟で彼らを守った。その行動が物語るものは大きいと思う。ドルスはそういう人間だって。

K:そうだね。彼の変化は見ていてとても楽しい。ルールブック通りにやって来た彼が、ワイノナを通じて、ゆっくり、でも確実にどんどんチームの一員になっていっている。

S:同意。完全に同意。役者としてもその変化は演じていて楽しい。視聴者にとってもそうだと思う。

B:まさに。最初の頃のドルスと今のドルスは徐々に心を開いていって、人間味も出てきて、愛情も見せている。すごく素敵な展開よね。

S:ありがとう。

B:ここでファンからの質問です。以前、犯罪学を勉強していたと言っていたけど、
ドルスを演じる上で役立っていますか?

S:もちろん。その経歴があるから役者としてはより真実味を持って演技できる。役者の仕事では経験がない役をやることもあるけど、ドルスは捜査官だから僕の経歴と重なることもよくあるし、犯罪学の知識は役作りにとても役立っている。

K:シーズンについて、Jenniferさんからの質問です。「これまででお気に入りのシーンはありますか?振り返ってみて、誇りに思ってる場面などはありますか?」
S:自分の演技をフェアに見るのはあまり得意じゃないから難しい質問だけど。今後のストーリーになるけど、ワイノナとドルスの関係の変化やその時のドルスの感情面をうまく体現できたと思っている。番組のチームからも好評だったからとても嬉しく思っているよ。

B:今後の展開が楽しみだわ。ドルスはとてもアクションが多い役よね。そこで次の質問です。Ericaさんから「ドルスの役作りにどういった身体的な準備をしていますか?」
S:ジム。ジム、ジム、ジム、ジム、ジム。かなりのワークアウトをしている。
B:混合格闘技(MMA)もまだ取り入れているの?
S:しているよ。食事に気をつけたり、あらゆることをやっているよ。エミリーはドルスのワークアウトのシーンでよく上半身裸にするから、油断できないしね(笑)
(中略)
K:ファンについてだけど、最近ではComicConやDragonConなどがあるけど、去年のコンが初めてファンと会うイベントだったでしょう?ファンと会ってみて、どんな体験だった?
S:すばらしい体験だよ。実際にファンと会って、自分の作品や演技について反応がもらえて。fandomもすごいし、身が引き締まる思いだよ。役者としては「有名になりたいんだよねー」とかじゃなく、いい仕事をして、役を出来る限り忠実に演じきるってことが大事だから。ファンと会えるのは大好きだよ。ComicCon自体も好きだよ。先日もLAで通りすがりのファンが気付いてくれたり(笑)

K:別のファンからの質問です。「誰に、何に、一番影響(inspiration)を受けますか?」
S:誰に、何に一番影響を受けているか?最初に浮かんだのは母だね。彼女はジャマイカからカナダに移住してきて、3人の兄弟を育て上げた。僕の夢をかなえるための土台をくれた人。今の僕がいるのは母がいてくれたから。

B:素晴らしい回答ね。

他にも色んな人からたくさんの質問があったんだけど、FacebookでLauraさんがとてもいい質問をくれました。「映画をリメイクするとしたら、何をリメイクしてどの役を演じたいですか?」
S:むずい・・超難問だ・・うーーーーん・・『オズの魔法使い』のリメイクで
カカシをやりたいかな。どうよ?
B&K:良いね。
B:そしたら、『ワイノナ』のキャストでリメイクしなきゃいけないわね。
S:それイイね、ハロウィーンのエピソードとかどう?誰がどの役をやるか考えよう(笑)
B:ジェレミーは臆病なライオン。ワイノナはもちろん主役でしょ、魔女は?
(中略)
B:『ワイノナ・アープ』のシーズンの撮影が終わってから、最近は何をしてるの?話せることがあれば教えてくれる?
S:色んなクールな人たちと会って、たくさんの脚本を読んで、色々やってるから楽しみにしててねー(笑)あまり話せないんだけど、ジョニー・デップフォレスト・ウィテカーと映画を撮り終わったよ。『LAbyrinth(原題)』というタイトルで、潜入捜査の警官役なんだけど、ジョニー・デップに捜査される側のキャラ。

B:ところで、先日の『ワイノナ・アープ』でエナジードリンクを飲む場面があったでしょう?ビーバーバズ(Beaver Buzz)っていうあれよ。私は知らなかったんだけど、
本当にカナダで売られてるドリンクなのね。で、知りたいんだけど、好きなフレーバーはある?

S:正直に言うと、どれも好きだから選べないな。
B:そうかー、っていうのも私はアメリカ出身だから、「サスカチュワンベリー」っていうのがどんなフレーバーなのかすごく気になったの。
S:じゃあ、カナダに来て、飲んでみなきゃ。
B:分かった。じゃあ次のフライトに乗るわ。
(みんな笑ってる(笑))
そういえば、Earperから聞いたけど、DJもするのね?いつDragonミックスをリリースするつもり?!
S:Dragonミックスだって?!ウケる(笑)そうだなー、まずドラゴンミックスってのが何か分かってからじゃないと作れないなー(笑)
B:ドルスに捧げるミックスよ!
(中略)
K:他にもこんな質問があった。ドルスはすごくシリアスな役だけど、セットではいたずら(prank)したりはするの?
S:まぁまぁやるよ、時々。ティムとはよく冗談言っているし。お互いのスマホでお互いの知らない間にセルフィー撮ったりとかね。
(中略)
K:時間を割いてくれてありがとう。残りの『ワイノナ・アープ』も楽しみにしているよ。
S:どうもありがとう。本当にありがとう。

 

終わり

ワイノナ・アープシーズン2配信のリクエストはこちらから。 

Wynonna Earp Podcast Dominique PC インタビュー拙訳

『ワイノナ・アープ(Wynonna Earp)』Podcast:「Tales of the Black Badge

ウェイバリー・アープ役 ドミニク(ドム)・PC(Dominique Provost-Chalkley)インタビュー回(54回)拙訳

(全体を通して意訳を含みますネタバレあり。)

 

ホスト:ケヴィン・バチェルダーボニ―・フェラー

ゲスト:ドミニク・PC

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 (日本からは Wynonna Earp | Netflix でシーズン1が見られます。)

 

ボニー(B):ドミニクってほんと大好き。ほんと、素敵な人。
ケヴィン(K):ほんとだよね。ドミニクは番組のことや、彼女自身のことについてオープンに真摯に話してくれる。
ボニー:S1でインタビューした時も色々と話してくれたわ。

 

B:前回はウェイバリーがちょうどgoo(ネバネバの悪霊の残骸)を触ってこれからどうなるの?!ってところだったわね。今やグーバリー(Waverly+Goo=Gooverly、S1の最後の最後参照)が大活躍しているけど、グーバリーモードになるためにどういう役作りをしたの?

ドミニク(D):まずはどうもありがとう!そうね、脚本を読んですごく楽しみだった。一番気になっていたことは、いつも現場では楽しみすぎちゃうから、やりすぎてしまわないように、ということで。悪役になりきるのは楽しいから。

まず最初に、エミリーと話したの。ウェイバリーに起きる変化は些細なものからっていう過程が私にはすごく大事だったから。そもそも、彼女はこれから人生を切り開いていくタイミングでの出来事だからね。だから、徐々に秘密が明らかになるように自然な変化にしたかった。エミリーに、私がオーバーに演技しすぎていないか確認してほしいと伝えたわ。といっても、一度も連絡は来なかったんだけどね(笑)うまくできてたってことかしら(笑)

K:グーバリーの時は、声にもちろん特殊効果がかかってるけど、身体的にも変化が見られるた気がした。何か特別に取り組んだことはある?

D:うーん、自然にそうなった感じはある・・セクシーを意識したつもりはなかったんだけど(笑)多分、グーバリーを演じる上で、(いつものウェイバリーよりも)極端に自信あふれる感じを意識していたから、それでセクシーに映ったかも。

B:普段のドミニクを知っている人なら、すごく優しい素敵な人って知っていると思うけど、ウェイバリーもそんな感じでしょう。でも邪悪なグーバリーに一瞬で切り替えていて、ほんとに別人みたい。グーバリーの時はウェイバリーのこと忘れちゃうもの。

【ウェイバリーとグーバリーについて】
D:(体を乗っ取った悪霊とキャラのやりとりについてファンが立てた仮説を聞いて)そういう仮説聞くの好き!!実際、ワイノナもウェイバリーもそれぞれ葛藤を抱えているじゃない?それが悪霊にも作用しているんじゃないかな。


【チアウェイバリーについて】

K:みんながチアリーディングのシーンについて知りたがっているよ。

D:何のことかしら?(笑)

K:あはは(笑)初めてあのシーンについて知った時はどう思った?

D:エミリーのおかげで、いくつかのエピソードでかなりのパフォーマンス(ダンス、歌、グーバリー、特殊効果など)をできてすごくありがたい。チアリーディングね、こんな大騒ぎになるとは思わなかったわ、正直(笑)S2撮影のためにカルガリーに着いてオフィスに直行したら、ADにまずこう言われたの。

「まず、チアリーディングと歌のレッスンを受けてもらいます。」

だから思わず叫んだわ。

「エミリー・アンドラス、ちょっと出てきてくれる!?(Emily Andras, Where are you!!)いったいどういうこと!?」(あまりにびっくりして。)
(B&K爆笑)

彼女は現場の隅でくすくす笑いながら「ちょっと色々書いてみたわよ~(笑)」って。まぁ、どのレッスンも必要なかったから受けなかったんだけどね。自力で何とかやったわ。S2では、実にうまく脚本に取り入れてくれたと思う。

あの撮影自体はキャットのおかげでとてもやりやすかったんだけど、まぁ、やっぱりすごく自意識過剰になっちゃうからツライ(笑)あんなスローで撮るなんてね!(笑)いったい、何回Twitterで自分のチアgifを見ればいいわけってなるよね・・(笑)
(訳注:ケヴィンもボニーも笑い堪え切れてない(笑))
それだけみんな気に入ってくれたってことよね!?

B:「大丈夫、みんな気に入ってる。(Baby, it's everybody's thing. 訳注:ニコールの台詞)」
みんな(ケヴィン、私、ブリジット)で撮影現場を訪問した時に、エミリーがS2のシーンのクリップを見せてくれたんだけど「どう?これ気に入ってもらえるかな・・?」って聞くのよ。3人とも「冗談でしょ?!気に入るに決まってるじゃない!チアリーディングしてるウェイバリーよ?!」


【ファンからの質問】
B:Facebookでの質問なんだけど、「チアのシーン(動画)では、実際にあの曲をかけて踊ったんですか?それとも音なしで踊ったんですか?」

D:実はあれは私の選曲なの。家で練習しながら、送ってもらった候補の中からシーンに合う曲を選んだ。大勢のクルーに囲まれながら無音で踊るのはきまずすぎる・・から、曲をかけながら踊れて助かったわ(笑)

っていうか、あの数秒のシーンに、実際にどれほどの時間をかけて撮影しているか、分からないものよね?ある日、ママが現場に遊びに来たんだけど、その日はアップのシーンを撮っていたのね。それで、「どうだった?どう思った??」ってママに聞いたら、黙っちゃって。「やだそんなにひどかった?!」と焦ってたんだけど、よくよく聞いたら、「ねぇ、なんか・・顔をカットされてる・・?」って言ってて笑っちゃった。ママは色んなアングルで撮るって知らなかったのよね(笑)
つまり、何が言いたいかというと、TVで映る数秒のシーンのために、アングルを変えて大量に、延々と撮るんだってことよ。ちなみに、あの撮影後はしばらく筋肉痛がひどくてまともに歩けなかった。運動不足だと思い知ったわ。ダンスも最近してないし、またトレーニングし直さなきゃいけないわね(笑)

B:エミリーが今後、何を書くか分からないしねっ?

 (中略)

K:ダンスもだけど、みんなドムの歌唱力にびっくりしているよ。歌と踊りはどちらが得意なの?
D:(褒められると毎回、Aww と感激するドム。)歌の方が緊張する。体を動かす方が経験があるわ。最初、エミリーには「まじで?歌なんて無理よ」と言ったの。彼女は「あらそう?もし本当にできないと思うなら、強制はしないから言ってほしい。無理はしないで。これを書いたのは、あなたは歌が上手って聞いたし、ファンにも喜んでもらえると思ってのことよ。番組でも映えると思うし。」と言ってくれた。
そこで一瞬考えたの。お願い、書き直してって言いかけた。けど、深呼吸して、「もしかしたら、これは(歌うことの)恐怖心を克服するチャンスかもしれない」と考えてみた。恐怖心を克服するには、緊張するし、こわいし、大変だけど、達成感もすごい。実際やってみてよかったと思ってる。みんな気に入ってくれたみたいだし、よかったわ。

B:恐怖に向き合うっていうのは、ウェイバリーもやっていることよね。
D:その通り。実際、これまでの展開を考えてみると、ウェイバリーも成長してる。『ワイノナ・アープ』のおかげで、ウェイバリーを通して、私もたくさんの機会に恵まれて、アクターとしても個人としても良い経験をさせてもらっている。勇気を出してやってみることね。「自分の欠点を認めて、向き合って、とりあえずやってみる」という番組のテーマにも沿ってるけど、そのおかげ。このfandomは応援してくれる(supportive)し、インクルーシブ(inclusive=包摂、支え合う)だし、本当に感謝してる。私は、自分に自信がないのがコンプレックスだから。それって多くの人が共感できることじゃないかな。
オーディションに受かるまではとても不安だった。イギリスから女優なんて呼ぶんじゃなかった・・って思われてるんじゃないかって。でも、エミリーや、クルーや、キャストのみんな、あなたたち(ボニーとケヴィン)もEarperも、みんなのおかげで人としてもここまで来れた。

K:ComicConもそうだけど、ClexaConでも本当に特別な体験だったって多くの声を聞いたよ。
D:嬉しい。というか、私にとって特別だったわ。これまでに会ったファンの一人一人が愛おしいし、みんなそれぞれ印象に残ってる。

B:私が個人的に知っている人たちだけでも、キャットとドミニクのWayHaughtのおかげでカムアウトできた、勇気を出せたって多くの声を聞いている。今日なんて、あるお母さんがWayHaughtのおかげで娘さんとの関係を改善できたっていう手紙を見た。エミリーたちが書くWayHaughtもだけど、キャットとドミニクが番組上で体現するWayHaughtと、リアル(オフスクリーン)で2人がオープンリー・ゲイキャラを演じるにあたっての責任を全うしてることで大勢のロールモデルになっている。

D:そう言ってくれて本当に嬉しいわ(謙遜して)。・・・キャットとは一緒に深く掘り下げてWayHaughtの役作りをしているし、多くを学んだし、あなたの言う通り、リアルでの責任感もある。正直、こうなるとは想像していなかったんだけど、個人個人にどれほどの影響力があるかを知ることになって興味深いところ。私自身にもすごく大事なことだけど、本当にこんな風に感じるなんて思ってもみなかったから、最高なおまけがくっついてきた感じ。
昔から人々の力になりたいとは思っていたのよ。そういう家系だから。父は、基本的に、彼なりのやり方で世界を変えようとしている人なので。最初に『ワイノナ・アープ』でウェイバリーを演じることになった時はこの状況は予想していなかった。だから、ファンの声を直接聞いたり、今、視聴者のこの期待に応えられているのは本当に何より大事な役割だと考えている。すばらしい経験をさせてもらえて幸運だわ。
(中略)
あのね、ファンと対面する時っていつも、自分の立場が信じられないから頬をつねるのよ。だって、むしろ私がみんなの話を聞きたい。私はただ、『ワイノナ・アープ』という最高な番組で最高な役を演じるラッキーなイギリス人で、ただポジティブなメッセージを伝えようとしてるわけで(笑)この番組に関わってる人たちは良い人間であろうとしている。Earperも、みんな良い人間であろうとして、ポジティブなメッセージを伝えてるっていう感覚を共有しているはずよ。だから、それが変わらずにいたらいいなと思うわ。(今年のトロント・プライドでの様子


【ウェイバリーの展開について】
悪霊退治するクレイジーな世界の中にいるキャラクターたちはあくまで人間的であって、ウェイバリーも自分のアイデンティティ(訳注:ルーツなど)について葛藤している。出身や経歴や家庭環境とか、その人を形成するものについて悩むことは誰もが理解できることでしょう。
(中略)
ウェイバリーのストーリーは私はすごく気に入っているし、それを演じられて嬉しい。
どんなクレイジーなシーンでもワイノナとの関係性はリアルだし、アープ姉妹の絆は強い。姉妹のシーンはメラニー(・スクロファーノ)のおかげでとってもやりやすい。
まるで毎シーンが上級クラス(master class)の演技レッスンみたいよ、彼女はすばらしい女優だから。


【グーバリーが某エサを食べるシーンについて(訳注:遠回しの表現にしている)】
元々、生のチキンレッグをかじる予定だったの。私は実際はヴィーガンだから、メラニーは大爆笑で、エミリーと私ともう1人のライターにメールしてきた。
「これまじ?!過去最高にウケる脚本だと思った私はヒドい人間?!いいぞもっとやれ!早くリハしよう!(笑)」って!まぁ、実際はそれは口にせずに、特殊メイクチームの力作を手にしたわけだけど。(後略)


【ファンからの質問】
zoeさん「ディスレクシア(読み書き障害)を患っているそうですが、台詞を覚えるのにどういう対策をとっていますか?同じ症状を抱える人に、何かおすすめの方法はありますか?」

D:うーん、そうね、他の人がどういう対策を講じているかは分からない。ディスレクシアは脳の働き方の問題で、人によって症状は異なるからね。だけど私の場合は、自分の台詞を全部、自分で書き起こして覚えている。自分の字で読んで、覚えて、他のキャラの台詞を録音して、自分の台詞を覚える。そうすると、全体の流れも分かるから。
(中略)
撮影に際しては役者によって準備の仕方が違うけど、私の場合はシーンのすべてを把握した状態でいたい。アクション(演技)しているなか、何も考えなくても台詞が出てくるくらいの方がシーンパートナーとより自然なやりとりができる。そうすれば、より真実味のある演技ができる。


ケイラ?さん「人生で一番影響を受けた人物は誰ですか?」

D:すてきな質問!ママね。それか、おばあちゃん。最高の女性のロールモデルに恵まれている。ママは世界中を旅してまわっていたの。苦手なことにもとりあえずやってみる精神で立ち向かう人でね。「恐れを克服したら道が拓ける」というのは最大のアドバイス

K:では、番組で関わる人のなかで尊敬する人は?

D:キャラクターで?それともアクターで?
K:どちらでもお任せします。
D:もちろんいるわ。そうねー、実在の人物ならティム(・ロゾン)からは色々とアドバイスをもらう。彼になりたいくらい。それくらい尊敬してる(笑)彼は、立ち振る舞いから演技から、全力で仕事をすることから、番組やキャラへの情熱から、本当に素晴らしい人なの。考えすぎたりしないし、その場の流れに身を任せて、楽しめる人。

たとえば、上手くできなかったシーンについて、私なんかはくよくよ考えたりするじゃない?自信のなさから。ティムは「いつもいつもそんな風にしてたら不健康だよ。良くないよ」と言うのよ。過ぎたことを忘れることはできるっていう心構えを教わった。「ドミニク。いいかい。気にしない。(I don't give a s****)」って。(訳注:Sワード部分に、プロだから代わりに音消し入れとくって自ら擬音を入れてるドムが傑作・・・なので54:10あたりをぜひ聞いてほしい)後で悩むよりも、大事なことにフォーカスすること、何が重要か理解すること、全力を尽くすことをティムからはかなり教わったわ。

あとはキャラクターなら、ニコールかな。素敵よね。地に足がついてて何でもできる人。ウェイバリーがニコールに惹かれるのも納得!

B:ティムの話が出たところで彼にまつわる質問。みんな知りたがってることがあるの。あなたたちには、とあるお決まりのポーズがあるわね?
(ドミニク爆笑)
あれはいったいどういういきさつがあるのか、秘密なのか、教えて!?

D:えぇとね・・過去に1人にだけ理由を教えたことがあるの。だけど、ティムに知れて「なんで喋ったんだ、あれ秘密だろ?!」って怒られた(笑)秘密なの?!って感じだった、ただ面白いからやってるんだと思ってたのに!(笑)きちんとした理由があるけど、またティムに怒られそうだから、彼に聞いてちょうだい!(考えるだけで笑ってしまうドム(笑))だから、まぁ、2人ともクレイジーだけど理由はあるわよ。


Rachelさんからの質問「キャットのインタビューでは過去の仕事でUberドライバーの経験と答えていましたが、びっくりするような仕事をしていたことはありますか?

D:役者だから、数え切れないくらい色々してきた。オーディションに行くのに支障が出ないようなたっくさんの仕事。ケータリングとか、某ブランドで着ぐるみで風船持って立ってるやつとかね。(中略)長い期間を要する仕事だから、役者になるには、役者でいるには、本気で演技が好きじゃないと耐えられないはず。

モントリオールでのできごとについて】
(流れで話し始める)イギリスで映画の撮影が1年半ぶりくらいに決まって、その撮影がインドで始まるところだった。すごく楽しみにしていて、当時住んでいたロンドンで色々と準備万端、あとは向かうだけだったのに、その撮影が延期になってしまってひどく落胆した。でも、ママがとにかく(滞在中の)モントリオールに来なさいって。

着いて、ママと合流して、私は泣いてた。「もうこんなの続けられない、自信もない、チャンスは廻ってこない気がする」とママに言ったの。そしたら、普段は特にあれこれ言わないママが、その時は「あと1年がんばってみなさい。あと1年。演技するの大好きでしょ?」って。その後、(公園で暑くて)寝落ちてたら、マネージャーから着信。
「『ワイノナ・アープ』って番組覚えてますか?制作プロデューサーがあなたに会いたいと言ってるんで、トロントに行ってくれませんか?」(中略)

航空券を変更しなきゃならないわ、帰国までの滞在時間も限られてるわ、バッタバタな状況で、翌日エミリーとメラニーに会って、全てが変わった。相性ばっちりで、ウェイバリー役に決まったという。つまり、何が言いたいかというと、時には余計に忍耐強くいなきゃいけないし、ご褒美のためにひどいゴミみたいな仕事をこなさなきゃならないし、「その時」のために準備しなきゃならないんだと思う。

B:そのエピソードをシェアしてくれてありがとう。「夜明け前がいつも一番暗い(It's alway darkest before the dawn)」ということわざがあるじゃない?私はいつも、つらすぎてもう耐えられない時、進めないと思う時に思い出すの。

D:どうしようもない時もある。そこでふんばれるかどうか。アクターをやってると、ソーシャルメディアではグラマラスでポジティブなことだけの世界って映りがちだけど、人間だからネガティブなこともあるわ。

K:楽しい番組を作っているのは、結局のところ、人だからね。

D:そう。(中略)エミリーはキャスティングの腕が良いのだけど、彼女の言葉を借りると、「キャスティングで悩んだ時は、キャスティング・ディレクターにこう聞く。この中で誰が、今のワイノナ・チームに溶け込める、人柄のいいまともな人(Nice person)かしら?」ということ。チーム全体のポジティブな空気を維持できることが大事だから。経歴や名声じゃなく、人柄で選ぶプロデューサーってなかなかいない。

K:番組のポジティブなエッセンスはEarperにも伝わっているよ。
色々とシェアしてくれてありがとう。

D:こちらこそ、みんながいてこその『ワイノナ・アープ』だから!
呼んでくれてありがとう!

 

終わり

ワイノナ・アープシーズン2配信のリクエストはこちらから!

Wynonna Earp Podcast Kat Barrell インタビュー拙訳

『ワイノナ・アープ(Wynonna Earp)』Podcast:「Tales of the Black Badge

ニコール・ホット役 キャサリン(キャット)・バレル(Katherine Barrell)インタビュー回(52回)拙訳

(全体を通して意訳を含みます。ネタバレあり。)

 

ホスト:ケヴィン・バチェルダーボニ―・フェラー

ゲスト:キャサリン・バレル

 

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(日本からは Wynonna Earp | Netflix でシーズン1が見られます。)

 

 【シーズン2の展開について】

キャット:初回のインタビュー時に比べて、ファンも番組もWayHaughtの勢いも、様変わりしたわ。今シーズンでは新たに脇キャラも増えて、バランスを取らなきゃいけないし、脇役全員が毎回フィーチャーできるわけではないから、警官であるニコールの役目として目立つアクションができるのは私も嬉しい。その点、上司のネドリーから部下として、町の平和と秩序を保つ(特殊ではない)立場も大事だと聞かされたことも、やる気に溢れつつも警官としての能力をフルに発揮できずにいたニコールにとっては、モチベーションにもなるし、すごく意義があったと思う。

(中略)

S2の最初のWayHaughtシーン撮影前にドミニクと話をしていたところ、ドミニクが「ストーリー上で、2人はごくごく最近付き合い始めたばかりだってことを覚えておかなきゃいけない」と言ったの。それまでにソーシャルメディアで盛り上がっているWayHaughtの関係について忘れて演技しなきゃいけなかった。ファンが求めてるのは真実味のあるカップルだから、ウェイバリーとニコールの付き合いがまだ日が浅いってことに注意したわ。大変だった。S1を見返したりして思い出しながらの作業だった。

ボニ―:脚本通りと言えば、ニコールがウェイバリーを持ち上げた時の芝居は脚本通りなの?アドリブなの?って大勢が知りたがってるわ
キャット:あのリフトのこと?ラブシーンはね、バランスがすごく大事で、リハーサルしすぎてもだめだし。あれはWayHaughtが初めてセックスするシーンで、ドミニクも私も超大事なシーンだと分かってたので、正しく見せたかった。多少のぎこちなさが不可欠だったし、私自身、完璧に作り込まれたラブシーンは見たくない。

脚本にあるダイアログはそのままだけど、ベッドに行くまでの動き方は・・そうね、ドミニクとは長く一緒に仕事してるから、親密なシーンではお互い安心して芝居ができるけど、相手が誰であってもシーンのパートナーが不快にならないように、一定の敬意は必要だから毎回確認するのね。だから、ドミニクに「持ち上げたくなるかもしれない」と事前に言ってはいた。でも、どんな些細なキスでも確認はするようにしてるけど、あのシーンの大きな動き以外、仕草やささいな動きについてはその場の雰囲気に合わせてやったわ。

(中略)

【チア・ウェイバリーについて 】

キャット:脚本を読んでドミニクに「これぜったいネットで拡散されるよね(笑)」って言ったわ(笑)。S2は割とセクシーでユーモアにも磨きがかかって、もっとダークな印象がある。ドミニクは踊りも歌もできるパフォーマーだから(ミュージカルや舞台出演経験)、ウェイバリーにフォーカスが当たるシーズンでドミニクが色々披露できるのはすばらしいことだと思う。S1と違って、S2では役者に当て書きしてると思う。

監督したロンはコメディが分かる人で、私も割と面白おかしくあのシーンはやりたかった。チアリーディング撮影後にみんなで確認していて、モニターを見ていたときのことだけど、ドミニクが「もういますごい自意識過剰!」って、(もちろんすごくかっこよく撮れてたけど)ドミニクは「もうやだーブレてる」と不安がっていたけど、「何言ってんのすごくよかったわよ(笑)」って感じで。どんなに完璧に見える人でも自意識過剰になったりコンプレックスはあるものよね。

(中略)

この番組のいいところは、セクシーかと思いきや、コミカルなシーンになって、その数秒後にはグロかったりすること。そのダークユーモアがちりばめられてるところがエンタメになってて大好き。S2は全員が何を作っているのか理解して動いてた。制作総監督のエミリー・アンドラスが作ってるもの、伝えたいことを全員が理解して、伝えようとしてるの。

 

ケヴィン:以前、ボニーと僕と(エンタメライターの)ブリジットが『ワイノナ』のセットを訪問時のことなんだけど、エミリーがチアウェイバリーを含めたラフカットを見せてくれたんだ。そこで、エミリーが「これどうかしら?気に入ってもらえると思う?」なんて言うので、3人でこう返したよ。「ウェイバリーが。チアリーダーのユニフォーム着て。ニコールがその場にいる。間違いようがない(笑)」
キャット:あの回の予告が出た後のみんなのリアクションは、特にニコールの制服に気付いた人は、すごいと思う(笑) 

ボニ―:(気付くと言えば、ゲスト出演の)レイチェル・スカーステンのほお骨と耳でレイチェルだと分かった人もいたのよ!」(訳注:まじかよ)

(中略)


【ファンのリアクションについて】

キャット:毎日受け取るファンからの応援がすごいの。まだ1年目なのに。これだけのファンがついていることが信じられない。Earper(『ワイノナ・アープ』ファン)はみんなあたたかくて、圧倒的な愛がある。ポジティブなパワーがあるわ。ネットで知り合って、ComicConやClexaConなどのそれぞれのコンベンションで初対面した友達や、付き合い始めたカップルや、1つの番組でこれだけの人たちが繋がっていってることがすごく嬉しいし、素晴らしいことだと思う。

 

【ファンからの質問】
Abbyさん:オープンリー・レズビアンのキャラ(openly LGBTQ character)を演じていることで世界情勢についての感じ方や肯定的な描写をすることに、個人的に変化はありましたか?

キャット(丁寧に言葉を選んで):マイノリティ(underrepresentedな)・LGBTQのコミュニティの知識についてはね。あまりよく身近なこととして分かってなかったけど、これまでにたくさんの統計を読んだの。メディアでLGBTQキャラを演じていることでマイノリティの統計やデータにかなりの接点ができて、どれほど当事者の存在がないがしろにされているか、よく見えるようになったし、接することが増えた。
私は本当に幸運なことに、とても進歩した寛容な(liberal)環境にいて、そういう環境で(カナダ)育ったから、当事者のことを深く考えたことがなかったけど、今となってはとても身近に感じているし、当事者は友達、家族みたいな存在で、私にとってすごく大事な存在になっている。以前は個人的なことには感じてなかったけど、ファンからメッセージや手紙や、それぞれのエピソードを聞いたりしていると、以前とは違う感覚で(現状に)すごく胸が痛む。伝わってる?

ボニ―:仰る通り!ニコールの存在はEarperにとって、とても励まされる(inspire)存在になっているし、ニコールのおかげでカムアウトできたっていうファンもたくさんいる。

キャット:「If you can't see it, you can't be it(適当訳:見えていなければ体現出来ない)」っていう言い回しがあるけど、さほど寛容ではない社会に生きているひとたちにとってメディアはすごく重要な存在で、特に北米ではそうなのよ。さらに、メディアの使い方は驚くほど簡単に良くも悪くもできる。

若い世代への影響力もあるし、その点よく話すのが、ニコールを演じることは本当に大変な責任感とプライドがあるっていうこと。役者としては、2つの選択肢があると思っているの。1つは無知でいて、朝起きて芝居して仕事して家に帰って全部忘れるか。または、自分に課された責任感を認識して、世の中にお手本を示せるような権利が与えられたことで、演じるキャラが社会的にどう影響するかを考え、ほぼ永久的に残るネットの世界(ソーシャルメディア)でどのように声を上げるか考えたりすること。

中にははっきり口にしない役者もいるし、できないって人もいるので、それは個人的に尊重している。ただ、良かれ悪かれ、名声を利用してる人もいるってことには腹が立つし、善い行いをする機会があるのにポジティブな影響を与えようとしない人たちには本当に理解できない。(語り始めたからまとめて)つまり、メディアで仕事をするなら、それに伴う責任を全うすることも仕事のうちだと思う。役者を生業にしてTVドラマの仕事をするなら、自分の立場を理解すること。それができないならこの仕事はすべきじゃない。(こんなTシャツも。)

ケヴィン:ニコールを演じる上でキャットに起きた変化も、ニコールを見て影響されるLGBTQ当事者のEarperも、その他のEarperも、自分たちができることを自分なりにやっていることがすばらしいよね。

キャット:その通りよ。本当にその通り。Earperコミュニティは色んな人を繋げていて、特に資金集めやチャリティで集まるファンの数は大規模なので、驚くばかり。ここまで協力的で深い絆があるコミュニティは初めてだから、ただただ感激する。『ワイノナ・アープ』自体がエンパワーメント(empowerment: 権限・力を与えること)や平等、絆(family)、責任や愛がテーマの番組だし、「自分のありのままを受け入れること」は番組の要でしょう。それはワイノナをはじめ、ウェイバリーにも、どのキャラにも通じること。自分がどういう人間なのか分かって、それを自覚して、そこから先のステップにさらに成長していき、どういう人生を歩むのか。そういうテーマがある。この番組に関われていること、Earperでいられていることに感謝しかない。ラッキーだと思う。毎日のように「どうやったらこんな幸運な立場になるわけ?」って思ってる。


【ファンからの質問】
WaverlyEarp(HN)さん:90年代の番組で出演するならどれですか?

キャット:Rugratsの映画のリメイクでもあったら声の出演をしたい・・(笑)

 

Samさん:キャサリン・バレルの映画をやるとしたら誰に演じてほしいですか?
キャット:わーお、いい質問きた(笑)。エヴァ・グリーンに演じてほしい。
私なんかより、よほど興味深い人物だけど。すばらしいイギリスの女優さんで、
Camelot』っていう番組に出てたんだけど、彼女と一緒の空間にいられるならお金出すわ。

ボニー:私は夢は大きい方がいいから、私ならメリル・ストリープに演じてほしいって言うわ!

キャット:メリルね・・シアタースクールにいた頃、シェイクスピア劇のリハーサルをやっていて、ある日、コルセットや衣装をつけて急いで現場に向かってたら、みんなの様子がいつもと違ったので、どうしたのか聞いたの。そしたら、「彼女に会えた?!」って。「え、誰に?」って聞くと、「メリル・ストリープが来てたんだよ。入れ違いだった!」その日、メリルは学校の見学に来てて、数秒差で会えなかったの!当時、その舞台監督してた監督にはそこまでのことかと思われただろうけど、あまりのショックに涙が止まらなかったわ・・。だからいつか絶対メリルに会うって願ってる!

 

【ファンからの質問】
Jasmineさん:女優志望の若いファンにアドバイスがあればください

キャット:すごくいい質問!私から言えることは、役者がよく陥るパターンだと思うんだけど、集中するあまり演技のことしか見えなくなると、他のことをしなくなってしまう。だから、演技とまったく無関係の趣味を作る。役者として今後、どんな芝居をするか分からないでしょう。花屋をやるかもしれないし、警官をやるかもしれないし、バスケ選手をやるかもしれない。それを演じるには、生活の中で演技以外のことを知らないとできるわけがない。だから、エンタメ業界とは無関係の趣味友達やなんかを作ること。演技以外のことがないと、仕事が少ない時や軌道に乗るまでにひどい気持ちになるのも理由の1つ。

もう1つは、自分の作品を作ること。合格の電話を待つのが常になってしまったり、許可をもらうのを待ってしまうこともよくあることで、採用してもらうために気に入ってもらおうと必死になるけど、どんどん手に負えなくなるから、最初のうちは自分で動くことも大事。私もプロダクション会社を設立して、ショートフィルムを作り始めたのはその頃だった。その時決めたのは、オーディションに必死になることをやめた。
この役はとてもやりたい。でも、もし却下されても、演技は続けるから!という気持ちでいた。自分の作品を作り、物語を伝え続けて、練習していくし、作品について、あなた(エージェント)がどう決めつけようと関係ない、という気持ち。そうすることで、自分の尊厳が保てたし、リスクの低い環境での作品作りの練習にもなった。ミスをおかしても失望されることもないし、さまざまなことができるからとてもいい経験になった。

ケヴィン:いいアドバイスだね。では、これまでで一番のリスクは?
キャット:役者を生業にしたってことは明らかにそれだけど、それとは別にと考えると・・『ワイノナ・アープ』にキャストされた時、日雇いのバイトやパートタイムのUberの運転手で街中走っていた。『ワイノナ』が終わってしまったらって考えると・・・おそろしい。別の仕事が見つからないんじゃないかと思うと。これはほんとに恐怖でしかないけど、この仕事をしている以上、つきまとうものよね。同時に、それだけ必死に仕事をするってことで、必要な感覚でもある。当時、親にも(安定してほしいがゆえに)他のキャリアを考えてみたらどうかと言われたくらい。

もう1つは、入学を熱望していた学校を辞めたこと。高校時代、ミュージカルをやりたいと決めた。ミュージカルを学べるとあるシアタースクールにどうしても入りたかったから、部活動もやりながら放課後たっくさんのダンスレッスンを受けたりして。結果、合格したけど、入ってみたら自分には合ってなかった。これまで必死にやってきた念願の学校だったけど、退学して、古典の舞台を教えている学校に入り直した。
そこで、とある先生が、“ここで何してるのか”と聞くので、何でも出来るオールラウンドになりたくて入りましたと答えると、先生は“あなたはアクターだと思う。この学校では役者としての演技の素質は伸ばせないから、他に移りなさい”と言ったの。その言葉は、実は本当は求めていたアドバイスだったから、すごく嬉しかったのを覚えてる。当時18歳で、それまでミュージカルのことしか考えてなかったから、演技に絞るってことはすごく怖いことでもあった。だからそれが2つ目のリスクかな。

(中略)


Uberドライバーだったことについて】

ボニ―:キャットが自分のUberドライバーだったかもしれないですって?!

キャット:可能性はあるわね(笑) ドライバーをやっていると、本当に様々なおもしろい人たちに会えるから。私がアクターをやっているのは、人々に魅了されているからなのよ。選ぶなら演技か、心理学ね。どちらも似てる。アクターっていうのは、人間というものを受け入れて、どういう理由でどういう行動をとるのかを考えるわけ。Uberに乗るのも同じ理由で好きなの。(中略)私は人生の早期にやりたいことが見つかって、実際それをできるようになって。本当に、本当にラッキーだと思う。(訳注:really luckyを5回くらい言ってる)そんな環境にいられて感謝してる。

 最後に
キャット:これを聞いている人たちは多分、Syfyチャンネルでワイノナ・アープを見てると思うけど、改めて伝えておきたいのは、TVでチャンネルを合わせて見てくれることがものすごーーーく大事ということ。(48時間以内なら見られるDVRで週末に見てもいい) 残念なことに、TV番組を維持させるにはやっぱり視聴率が何より大事で、Syfyウェブサイトでもいいけど、TVでの視聴率が大事なの!!違法動画やTV以外で見てしまうと番組にとって損にしかならない。とにかく、見られる人は、毎週金曜日にSyfyチャンネルで『ワイノナ・アープ』を見て下さい!!これがもんのすごーーーく大事(super, super, super important)なんです!

追記:おかげさまで、シーズン3、決定しています。)

 

終わり

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