uco Earp notes

ワイノナ・アープ Podcast「Tales of the Black Badge」キャストインタビュー拙訳 blog for Earpers and LGBTQ+ people

Wynonna Earp Podcast WayHaught S2 インタビュー拙訳

『ワイノナ・アープ(Wynonna Earp)』Podcast:「Tales of the Black Badge

WayHaught Season2 インタビュー回(77回)拙訳

ウェイバリー・アープ役 ドミニク・プロヴォー=チョークリー(Dominique Provost-Chalkley)& ニコール・ホット役 キャサリン・バレル(Katherine Barrell)

ネタバレあり。全体を通して意訳を含みます。)

 

ホスト:ケヴィン・バチェルダーボニ―・フェラー

(日本からは Wynonna Earp | Netflix でシーズン1&2が見られます。) 

 

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-オープニング-

ケヴィン(K):シーズンの合間にもポッドキャストは続けるから、よければ聞いてねー。

ボニー(B):どうかしらね、WayHaughtのインタビューなんて改めて聞きたい人いる?(笑)

K:公開直後から何千回ダウンロードされているけどね?!(笑)

B:みなさんお待ちかねのWayHaught第2弾ですよー。

K:色々と調整してもらってありがとう、ボニ―。

B:ありがとう。まぁ誰かがやらなきゃいけないからね!(笑)
キャストも超多忙のなか、時間を割いてくれているから、彼らにも感謝しなきゃ。

K:その通り。

B:キャットとドミニクのダイナミックなやりとりが好きだから、また話を聞けて嬉しかったわ。

 

-本編-
B:キャサリン・バレルさんとドミニクPCさんです!
キャット(KB)&ドミニク(D):Woohoooo!!

B:また来てくれてありがとう!

KB:こちらこそ!

B:最近は各地を回っているみたいね?DragonCon(アトランタ)で会ったその後はEarperCon(イギリス)に向かって。

KB:そうなの。帰国したばかり。私はね。ドムは残ったけど。

D:私はまだイギリスにいるわ。

KB:どうやってチーズ避けてるの??

D:でしょー。今日、友達と遊んでてチェダーチーズファクトリーに行ったけど。キャットならしんでたわね(笑)

KB:私なら代わりに全部食べちゃうわ。


K:まず聞きたいのは、EarperConUKでもした質問なんだけど、もう少し掘り下げたいことで。番組が始まって17ヵ月でしょう。2人にとって世界が変わったと思うんだけど、これまでの道のりについて聞かせてもらえる?

KB:あー・・ドムからお願い(笑)

D:すごいローラーコースター。こんな風になるとは全く予想していなかった。うーん、「スリリング」が妥当かな、小さな番組がこんなに成長するなんて思っていなかった。スリリングよ。EarperConの最後でも泣いちゃったけど、こんな短期間でこんなに成長したってことを実感したの。達成したことや、キャストや・・私たち全員、このファンダムがファミリーだと感じる。みんなで一緒にこの歴史を作っている感じ。そんな風になるとは思いもしなかった。出演者だけど、ふと客観的になってどれほどのことを築き上げてきたのかと考えると圧倒されるわ。

KB:シーズン1を撮影していたのって今くらいの時期じゃなかった?それで今に至ってる。まだ2週間くらいよ。まじで。あ、2年ね、2週間だって(笑)2年ね。短期間で人生がこれだけ一変した。

D:たっくさんの人に会ったね。EarperConでもあれだけ多くの人が来てくれた。私たちだけじゃなくて、ファンの人生も変わったのよ。彼らを体現する番組、寄り添える番組に出会って。パワフルなことよね。そして、その体験を共有してる。

B:そうね。私が個人的に知り合いのファンに聞いても、みんな『ワイノナ・アープ』が彼らの人生を変えたって話している。番組は彼らにとっての希望。中には家族にカムアウトする勇気をもらった人もいたり、親友に出会ったり、恋人に出会ったり、鬱から抜け出せたり、様々に影響されている。ケヴィンと私も、どれほど人生が変わったかってよく話しているわ。
それで、今シーズンではニコールもウェイバリーもそれぞれ大いに成長したし、山あり谷ありながらWayHaughtとしても大きく前進した。キャット、ニコールは「ウェイバリーはアープ家の人間じゃないかも」と本人に伝えなかった。今シーズンのニコールについて、また、ウェイバリーとの関係についてどう思う?

KB:2人の関係については、TVではあまり見られない同性カップルの描写がしっかりできたことはとても重要で、できて良かったと思うけど、それよりさらに重要なのはカップルとして避けられない描写もあったこと。つまり初めての裏切り(嘘)があったわけだけど、そこからカップルとしての関係が始まると思うの。私はあの展開があってとても良かったと思う。喧嘩して、乗り越えてこそ彼女たちの本質が分かる。多くのファンにとって辛かったし、(裏切られたように感じて)怒った人もいたけど、あの描写はとても大事なことだった。付き合い始めた2人にとっての試練よ。何度も試練を乗り越えて、何度も愛情を確かなものにするの。それでこそ本当の愛だから。それを見せてくれたエミリーたちには感謝している。

D:きれいにまとめてくれたキャット(笑)同意するわ。何度も試練を乗り越える(re-testing)、まさにそれよ。その通り。すばらしい。

B:私も同意。2人とも今シーズンで様変わりしたじゃない?ウェイバリーは出生などのかなりシリアスな問題に直面した。人の変化ってその人をとりまく関係にも影響するでしょう。だからニコールも一緒に成長していくほかない。一緒に立ち向かって、一回り成長したと私は思う。

D:その通りね。ウェイバリーは20台前半で、女性と恋愛関係にあって、人生におけるたっくさんのことを対処している。悪魔に触って大変なことになったり、問題だらけでしょ。ちょっとは大目に見なきゃ。例えば、学校でも、学校生活の中で一緒に色々な事に取り組まなきゃならないけど、どうにかして解決策を見出すでしょ。そして多くを学んで、出てくる。ウェイバリーはまだまだ若いのよ、忘れがちだけど。彼女がすてきなのは、まだ若々しくて、人生において何がしたいか、どうしたいかを良く分かっていることで、しかも彼女がラッキーなのは、仲間として一緒に歩んでくれるワイノナやニコールが側にいてくれることよ。キャットが言うのはそういうことよね。この2人の女性がどうやって一緒にやっていくか。
K:そうそう。キャットがさっき2年間の出来事って言っていたけど、番組の中ではもっと短期間の出来事だよね。WayHaughtはまだカップルになってまだ間もない。キャットが以前、「ニコールが問題に直面したらどう対処するのか見たい」と言っていたけど、それが今シーズンでは見られたよね。WayHaughtが共に成長する過程を見られたのはすばらしかった。この番組の見どころはすごくリアリティがあるところ。よくある「キャラがみんな人生順風満帆」ではない。

KB:その点について言えば、脚本チームが書くこの番組で起きることはすべて非現実的(Unreal)。亡霊、SF、魔法、タイムシフトが起こる非現実的なフィクション。それでいて、人間であること、生きるということ、ファミリーとは、恋に落ちることは何かを伝えていて、それがファンや私たちの人生に影響している。しかもリアルなレベルで。それってすごいことよ。フィクションだからって「これはフィクションだから、ただただ楽しいだけ!」とはなっていない。『ワイノナ・アープ』は現実的なドラマだと感じている。奇妙な環境にいるキャラクターたちはリアルよ。だからこの番組が好き。SFで、それでいてとても地に足が付いていて、現実に経験することが核心にある。

D:その通りよ、キャット。

K:あのエピソード(211「ワイノナがいない世界」)で起こったことはアンリアルだった。パラレル世界、ワイノナがいる世界とは別次元での出来事だった。それでも、あのエピソードの核心にあるのは、別次元であってもWayHaughtは惹かれあう定めだっていうこと。

KB:私もあの描写は大好きよ。みんなそれぞれ意見があるけど、私は、友情でも恋愛でも人生において大きな存在になるって分かる人がいるもの。なぜかは分からない。直感。だからあのエピソードで感じたのは「あら、あなたは他の人とは違うね」ってことよ。

(ドム感激)

B:あと私は残念ながら気付けなかったんだけど、あるファンが気付いていたことがあって。納屋で3人のゲイが世界を救おうとする場面のことね。エミリーのチームがやることは偶然はないから分かると思うけど―

D:あー!「(何とかなるって)信じること(Leap of faith)」ってこと?「これが成功するか分からないけど、とにかく信じてやってみよう」ってことね?

B:メラニーが不在で変な感じがしたけど、「ワイノナがいないとどんな感じだろう?」という世界を脚本チームが試してみたのは大事なことだったし、すごく良かったと思う。

KB:あれは私のお気に入りのエピソード。脚本を読んだ時も気に入ったし、解釈のされ方もすごく好き。メラニーが不在って忘れちゃうのよね。だって全体を通して彼女を取り戻そうとするわけだから。ワイノナの存在感にあふれているし、いかに大事な存在なのかが描かれているでしょ。

K:メラニーが不在のエピソードといえば、WayHaughtの関係への影響だけじゃなく、今シーズン、妊娠のことを各キャラがどう対処したかについてはどう思う?2人とも非常に重要な役割があったでしょう。

D:すごく誇りに思っている。メラニーが本当に誇らしいわ。実際に妊婦であれをこなしたなんて信じられない。本当に勇気づけられる(empowering)ことよね。ここ数週間イギリスにいるけど、「シーズン2はどうだった?」と聞かれて、何度その話を話しても嬉しくて、初めて打ち明けるみたいにワクワクしちゃう。すばらしい反響がたくさん返ってくるの。女友達は特にね。メラニーが経験したことはすばらしいこと。多くの女性はそう感じるはず。女性の力は偉大なのよ。メラニーは間違いなく、必死でTV上で一番重要な物語を作ったと思う。世の女性にとって妊娠は障害ではないって。本当に特別な経験を共有したわ。個人的に、この先何シーズンやっても、どんなに長く続いても、このシーズンが一番好き。それほど、私たちが一丸となって経験したことはすごかった。あの子はワイノナ・アープ・ファミリーのベイビーよ。メラニーからの贈り物だと思う。まさに人間性についての、ファミリーの尊さについてのストーリーを伝えているときに、実際に身重だったのよ!
べらべら喋りすぎたわね、うん、だから、質問への回答としては、ファミリーに関わる全てのシーン、アープ姉妹やお腹の赤ちゃんの全てのシーンには、もう1人いたわけ。しかも、日々成長している。実際にそこに存在しているっていう、そのことがシーンに新たな要素を加えてくれた。現実味を帯びて、よりリアルに見せることができた。それが画面に表れているはず。何よりも大事な存在がいるってことがね。

K:それと、キャットについては、ワイノナにとってニコールが今までより重要な
役割を担っていたよね。

KB:そうね。ニコールとワイノナの関係性は興味深いもので、「競争」・・は間違った表現ではないけれど、ある意味、そんな要素がある。特にシーズン始めにはネドリー(グレッグ・ローソン)とのやりとりで嫉妬するような場面もあったし、ウェイバリーをめぐっては、それこそ彼女たちなりにウェイバリーを想ってそれぞれ張りあうような存在でしょう。ワイノナとニコールの関係はユニークだと思う。2人ともけっこう違うタイプの人間で、人生観も違う。そんな2人が、ワイノナが最後にはニコールを信じてベイビーを預けた。その描写は美しいと思う。彼女たちには暗黙の敬意があって、必ずしも仲良しではないけれど、自分に無いものを相手に見ているような部分があるから、お互いに敬っているんじゃないかな。

B:キャットの言う通りね。ワイノナとニコールの関係性はPussy Willowsでのバーシーンが象徴的だと思うんだけど。聞きあきているでしょうけど、私も2人のシーン、大好きよ。ケヴィンと毎回言っているの。あなたとメラニーのシーンは、まるでマジック。だからWayHaughtシーンと同じくらい、2人が映るともう最高。もちろんアープ姉妹が映るとだいたい泣いてしまうんだけど。(笑)3人で映ったらもっといいかもしれないわね。

KB:あー、確かに、3人での重要なシーンはそこまでなかったかも。
B:こんな感じは?チャーリーズ・エンジェルみたいなのとか。(笑)
(中略)
サプライズといえば、ケヴィン、今シーズンは何度サプライズの話をしたっけ?(笑)2人とも、今シーズンで一番驚いたことは何だった?

KB&D:Oooh. いい質問ねー。

D:エミリーはいつもうまく観客を驚かせるよね。すごいスキルだわ!ワイノナがどうしたですって?そんなことしたら元に戻せなくなる!って(笑)キャットは?

KB:単純に、ニコールが既婚者だったことかな?予想外だったから。他のことと比べると。ほんとに驚いた。あとはサプライズっていうのとはちょっと違うけど、ボボ(マイケル・エクランド)のルーツを知るエピソードね。

D:私もそれ考えてた。

KB:ワイノナの目を通して、それまでの多くの点と点がつながって。今シーズン、なにより気に入ったのはボボなの。今回の彼にはすごく愛着がわいた。あのエピソードはすごくうまく(clever)作られていてすばらしかった。

D:天使の名をウェイバリーと答えるなんてね。シーズン1から練っていたのかな。

KB:そこよね。エミリーはどれだけ見越していたんだろう?確かDragonConパネルで話していたと思うんだけど、エミリーはあの部分が一番不安だったって。ストーリーの核心に触れる部分だから。でもエピソード監督のパオロ(・バーズマン)が情熱を込めて、熟考して撮っていたから、堂々としていられたって。私のお気に入りはシーズン2後半よ。これからどう展開するのか楽しみで仕方ないわ(笑)・・脚本、先にくれるのかな?それとも読み合わせまでないのかな。

D:先にほしい。読み合わせで初見なのいやだもん!

KB:知ってる。知ってる。

K:以前シーズン1の時にWayHaughtインタビューした時は、まだこれからどうなるんだろうねって言っていたけど、ここまできて、ファンもだけど、2人ともわくわくしているんじゃない?世界中にファンができて、世界中でコンベンションをやって、実際にファンと会ってさ。で、番組的に考えて、シーズン3の展開でキャラとしての希望はある?

D:ウェイバリー的には、周りと距離をおくのが大事だと思う。これから成長させるためにもね。ジェレミーのストーリーもあるし、ニコールの過去についても知りたい。今年、ウェイバリーとして色々挑戦させてもらってとても恵まれていたわ。彼女の闇の部分を掘り下げられてすごく嬉しかった。出生についてもっと答えがもらえたらとは思う(笑)。ワイノナがなぜママのことを隠していたかとかは気になるけれど、それよりも長い目で見て、ウェイバリーをもっと掘り下げていければ嬉しい。

KB:去年達成したことは自分を褒めるべきよ、ドム。果敢に挑戦していたし、間違いなく期待に応えたでしょ。以前にも2人でこんな会話をしたけれど。失敗はしていないし、自分を誇っていいと思うよ。

D:嬉しい、どうもありがとう。

K&B:同意。

B:ファンとしては、色んなウェイバリーが見られて宝くじを当てたようなものだったから!

KB:ほんとよね!色んなスキルを見られて楽しかったよね!

D:キャットは何かやってみたいことはない?

KB:えーと・・以前少しだけ話したかもしれないけど、政治的な一面を見たい。オープンリー・レズビアンだからなおさら。多様性の観点でも、権力のある立場(警官)の女性としても掘り下げてみたい。それと、もちろんWayHaughtデートも見たい。邪魔が入らない、いい感じのデートのワンシーン。いい感じの「2人の世界」なシーンがあってほしいのよね。TV的にはそんなに面白い絵じゃないかもしれないけど(笑)

D:いや、ファンはむしろ大歓迎だと思うけど(笑)

B:WayHaughtの人気といえば、私たち、毎週「今週のセリフ」投票をしているんだけど、毎回、天才的なライターチームのおかげで名台詞ばかりで選ぶのが大変なのね。それで、シーズンの最後に「今シーズンのセリフ」を選ぶわけなんだけど、今年はニコールのセリフが選ばれました。「I've never loved anyone the way that I love you.」(ニコール:あなたほど愛した人はいない)でした。お伝えしておこうと思ってねー。

KB:他のカップリングやアープ姉妹のセリフもあるのに嬉しいわ。

B:僅差で「I'd do anything to you..」(ニコール:あなた(ウェイバリー)になら何でもしたいわ・・)に勝ったのよ(笑)

KB:他にはどんなセリフがあるの?

B:「How do you like my mustache now?」(ドク)
「Did smashing all the demon eggs make you wet?」(ジェレミー
「Well, baby, that's everybody's thing.」(ニコール)
「Frankly, Lucado, the situation is balls.」(キレたウェイバリー)
「I remember every second I was with you.」(ウェイバリー)
「You're so pretty and I like you so much.」(酔っ払いニコール)
「What's my angels name? - Waverly.」(ボボ/ワイノナ)
「She'd open the door for you no matter what time.」ロジータ
「What am I? - That's easy. You are extraordinary.」(WayHaught)

K:以前にも話したけれど、この番組は本当にユーモアと感情的共鳴(emotional resonance)なバランスがすばらしいよね。1つの感情だけじゃない。

KB:そうね。笑いと涙。物理的には真逆のようだけど実は似た感情なのよね。『ワイノナ・アープ』は感情のテンポが速い。

D:あるパネルでエミリーから誰からみんなで泣いてしまったことがあったけど(多分コミコン)、それこそ『ワイノナ・アープ』だと思う。感情的に泣かせにくると思ったら大爆笑が待っている。パネルでもメルにハグされて泣いていたらエミリーが笑わせるっていう。

B:今シーズンのWayHaughtと2人の演技には死ぬほど泣かされたし、それに、しっかりキャラを体現してくれてありがとう。この30分、話を聞かせてくれたことにもありがとう。感謝しきれないわ。

 

終わり

Wynonna Earp シーズン2、水曜日から配信開始

『Wynonna Earp』(ワイノナ・アープ)シーズン2がネットフリックスにて

水曜日から配信開始されるとのことです。

 

めでたいです。お祝いです。

全然落ちついてません。

リクエストしてくださった日本のEarpers、ネトフリ、IDW、Wynonna Earp Team、ありがとう。Because Earpers help each other.

ドミニクすごい

ラニーかっこいい

ティムいい男

リアルなレズビアンカップルとして描かれるWayHaught

キャットかわいい

期待を裏切らないWayHaught

ゲイゲイしいWayHaught

Endgame、WayHaught

ベナントも忘れちゃいけない。

多少グロくてもエミリー・アンドラスのバスから降りないで

画面から離れて見ましょう。

シリアスにもラブラブにもユーモアを忘れないドラマです。

(字幕でエミリー節は拾いきれないのでと思うので余裕があれば英語字幕で。)

Tacos are tasty! Enjoy the ride!


Wynonna Earp S2 San Diego Comic Con Trailer

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ClexaCon2017パネルメモと写真

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2017年3月にラスベガスで初開催された ClexaCon(クレクサコン)に参加しました。

ClexaConは「LGBTQウーメンとアライのためのメディア&エンタメ・コンベンション」です。(コンベンションの有名どころはサンディエゴのComicConとか。)

アライ(ally)とはマイノリティの味方のことです。(たとえば、異性愛者は同性愛者のアライになれますし、障害を抱えていない人は抱えている人のアライになれます。少なくとも日本でのアライはその意味です。)

ClexaConテーマには「メディアクリエイターがよりポジティブなLGBTQコンテンツをプロデュース・配信できるように力添えし、LGBTQコミュニティがよりよいレプリゼンテーション(描写)を推進できるよう援助するための教育リソースを提供すること。メディアにおける可視化向上のための基礎を固めつつ、LGBTQウーメンが伝えたいストーリーの制作にもっと参加してもらうこと」などがあります。

つまり、ドラマ『ハンドレッド(The100)』においてクラーク・グリフィンとレクサのカップル(クレクサ)の悲劇的展開にもあるように、そもそもアメリカTV界において高確率でレズビアンキャラが殺されてしまうことに「いいかげんにしろ」ということで始まったコンベンションです。(超人気shipでも悲恋ならわざわざ見たくないので、私は見る予定はありませんが)

 

プログラム内容としては、各ゲストとのサイン会・写真撮影会、プロの脚本作りワークショップ、ゲストを招いた様々なパネル(トーク)、ショートフィルムフェスティバル、各ベンダーの物販、コスプレコンテストなどがあります。

ゲストは、『LostGirl』のレイチェル・スカーステン、WayHaughtのキャサリンとドミニク、『Angel』のエイミー・アッカー、『Carmilla』のイリースとナターシャ、『Saving Face』の2人、『The L Word』のサラ・シャヒ、『Lost Girl』や『Wynonna Earp』製作総指揮エミリー・アンドラスなど。余談ですが、当時Wynonna Earpはまだ未見で、ゲストの中でよく知ってたのが、『Angel』(『Buffy the Vampire Slayer』スポンオフ)で大好きだったエイミー(POIは全然見ていません)。

ClexaConを一言でいうなら、天国でした。自分がしたい服装で、周りの目は気にならず(みんなLGBTQやアライでそれぞれの番組が好きなオタクだから)、批判的な人もおらずフレンドリーで、自分に嘘をつかずに居られる空間だったので。普段から自分を偽っていないつもりの私でも、大げさではなく、セクシャリティを含めてすべてにおいて視点が変わりました。今後、少しでも興味があるなら、LGBTQ+なら特に、一度と言わず参加を真剣に検討することをお勧めします。

で、そのパネルが個人的にとっても興味深かったので、箇条書きゆえなんのこっちゃ、ですが、今更ながらメモを置いておこうと思います。(理解できた範囲で、Q&Aも含みます)

 

「GL101:百合と少女愛アニメや漫画入門」

百合と少女愛の違い、王道アニメと漫画シリーズ、伝統的な言い回し、オススメなどの基礎について (国によって基準違って面白かった)

 

「視覚化とアセクシャル

  • アセクシャルは相手に性的魅力を感じない。
  • アセクシャルは反社会的なわけではない。
  • アセクシャルでもみんな同じではない。
  • 『ビッグバンセオリー』のシェルドン、『デクスター』のデクスター、など男性キャラが目立つ中、2012年『Dr. House ハウス』シーズン8に登場した患者、ケイラは「アセクシャルらしくない」普通のブロンドの女性として演じられた。
  • 2年前までアセクシヤルは病気認定されていた。
(途中退出)
 
 
クィア・ベイティング(視聴率稼ぎの釣り)vsクィア・サブテキスト」
120人以上参加の立ち見。途中参加。
 

「早期のゲイTV番組から現在のTV。レズビアンの広告やキャラの扱い」

一番大きい会場で、『Gilmore Girls』などの人気番組製作関係者によるパネル。

  • 『The100』でクレサが殺されたからクレクサコン(ClexaCon)ができた。
  • ゲイキャラクターを描くことは昔は許されていなかった。
  • 2004年でもレズビアンキャラは煙たがられた。
  • 「もうすでに1つゲイの番組あるから」と断られたこともあった。1つずつしかだめなわけ?
  • ネットワークのご機嫌とりをしなきゃならない。
  • レズビアンのシーンを撮る際、たとえば、キス→寝転がる→ベッドで膝つく、といった具合に、その都度オンエアできるように変えなければいけなかった。ベッドで膝をつくのはいいけど、ベッドに寝るとノーが出た。(会場爆笑) ブラはどうか?タンクトップで見せるのは?など細かく注文に沿うようにしていった。
  • LGBTキャラでも、(異性愛者と変わらない)普通の人として描写を心がけている(し、そうしたい)。
  • エレン・デジェネレスのカムアウトで勢いづくかと期待したけど、だめで、当時のバックラッシュに驚いたし、しばらくゲイキャラ登場についてはおとなしくなった。
  • 配信型の番組には現政権の影響は出ないと思う。なぜなら視聴者はコンテンツを求めているから。
  • コンテンツを作る側はお金のためにやってない (人もいる)。
  • 配信型だと見たい番組を見られるから若年層にはオススメ(カムアウトしていない家族と一緒に見られなくて困るなどの点で)。そしLGBT番組をオススメする時はその部分を伏せて説明すればいい!
  • コンテンツを作る人がいて、(ネットワークにかけあって、) パイロット版をなんとかして作る人がいて、視聴者に応えるサイクルがある。
  • レズビアンの方がターゲット層が増えた (ゲイ男性の需要が主にゲイ男性だけなのに対して、レズビアン女性やシスヘテ男性にもあるから)。
 
「みんなの協力が必要:メディアにおけるアライたち」
(アライのスタンスを聞けるとわくわくしていたら、パネリストたちは「嬉しいけどアライなのにこうだと示してしまうことに不安を覚える」「あくまで私の見解は」とそれぞれ言っていたのが印象的だった。)
  • アライとは各プラットフォームを駆使して、人の声を広げられること、(でしゃばらず)黙る時を分かっていること。
  • 『The Good Wife』のカリンダ(Flexibleなセクシャリティ)の描写について
  • 当事者の声を代弁してしまわないこと、置き換えないこと、声(意見)を遮らないこと。
  • 昔は役者が(偏見を恐れるなどの理由で)LGBTの役を避けていた。
  • クレクサのくだり、非当事者が問題が見えていない状態で「これでいい」と決めつけてしまう衝撃。権利(entitlement)の感覚問題。
  • シスヘテロ(自認している性と身体が一致している異性愛者)からの目線で描いた「これでいいんだよね」(が見られるが、してはいけない)。
  • 色んな理由で番組からキャラを消すことがあるが、「LGBTだからいいか」はキャラが死ぬ理由としては最低。
  • クリエイティブに対して責任を持たないといけない時代。
  • 教養があるのに、アライであることの意味をわかってない人たちがいる。
  • アライとしては、個人がどう思うか、感じるかを知りたいと思う。
  • ノーマライズしてしまうことの恐れ。
  • 「特権があると、(訴えを起こす当事者などに)攻撃されてると感じる」人たち
  • アライはどのマイノリティにも必要。
  • 自分の経験をシェアしなきゃいけないはずはない。
  • Straight white person (白人特権階級) やアライと認識していないゆえに、耳を傾けていない人たちにも気づいてもらえるように発信の仕方を変えたりする。
  • ツイッターでロムしてる人への影響。その流れを見てる人が(当事者で)不要に傷つくかもしれない。「あなたがその立場ならどう思う?」と建設的に会話を進めるようにする。
  • 1人じゃなくて大勢のアライが、いればいるほど良い。
  • リアルではありえない、実在しない空間(ストーリー)でのLGBTキャラをどう思う?「SFや魔法ものや弁護士などでLGBTが活躍すると視聴者は「こんなこともできるんだ」と思えるので、必ずしも非現実的だとか悪いことではない。TVなどのジャンルはこれからの社会的な位置を描くことが可能(たとえば『スタートレック』)
  • そういうキャラを当事者が書かなきゃいけない状況であるべきではない(誰が書いても正しく描けるべき)。
  • HIVポジティブのゲイ男性が、昔あったリアリティ番組『Real world: San Francisco』に出演して以来、ゲイに対するメディアでのイメージがそれ以前よりもポジティブに変わった。
  • 当事者の声を代弁せずそのまま届けること。
  • 当事者の割合とメディアでの扱いに差がある。
  • 統計に現れていない、変化してきているリアルの環境もあって、歓迎する人たちも増えている。(このコメントは娘さんと参加していたお母さんによるもので、感激して私が泣きました)

これのほかに、参加できなかった「有色人種のLGBTQレプリゼンテーション」パネルがあり、最終日に追加で第二回目を開催していたほど大人気でした。(スケジュールの問題で全部を見ることは不可能)次回のClexaCon2018は、パネルの内容もゲストも更に充実して参加者数も増えるでしょう。Speed-datingをもじったSpeed-friendingなんてイベントもあるくらいです(1人で参加しても友達ができるよ)。私としては、有色人種の参加者がもっと増えると良いなと思います。

 

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