ClexaCon2017パネルメモと写真
2017年3月にラスベガスで初開催された ClexaCon(クレクサコン)に参加しました。
ClexaConは「LGBTQウーメンとアライのためのメディア&エンタメ・コンベンション」です。(コンベンションの有名どころはサンディエゴのComicConとか。)
アライ(ally)とはマイノリティの味方のことです。(たとえば、異性愛者は同性愛者のアライになれますし、障害を抱えていない人は抱えている人のアライになれます。少なくとも日本でのアライはその意味です。)
ClexaConテーマには「メディアクリエイターがよりポジティブなLGBTQコンテンツをプロデュース・配信できるように力添えし、LGBTQコミュニティがよりよいレプリゼンテーション(描写)を推進できるよう援助するための教育リソースを提供すること。メディアにおける可視化向上のための基礎を固めつつ、LGBTQウーメンが伝えたいストーリーの制作にもっと参加してもらうこと」などがあります。
つまり、ドラマ『ハンドレッド(The100)』においてクラーク・グリフィンとレクサのカップル(クレクサ)の悲劇的展開にもあるように、そもそもアメリカTV界において高確率でレズビアンキャラが殺されてしまうことに「いいかげんにしろ」ということで始まったコンベンションです。(超人気shipでも悲恋ならわざわざ見たくないので、私は見る予定はありませんが)
プログラム内容としては、各ゲストとのサイン会・写真撮影会、プロの脚本作りワークショップ、ゲストを招いた様々なパネル(トーク)、ショートフィルムフェスティバル、各ベンダーの物販、コスプレコンテストなどがあります。
ゲストは、『LostGirl』のレイチェル・スカーステン、WayHaughtのキャサリンとドミニク、『Angel』のエイミー・アッカー、『Carmilla』のイリースとナターシャ、『Saving Face』の2人、『The L Word』のサラ・シャヒ、『Lost Girl』や『Wynonna Earp』製作総指揮エミリー・アンドラスなど。余談ですが、当時Wynonna Earpはまだ未見で、ゲストの中でよく知ってたのが、『Angel』(『Buffy the Vampire Slayer』スポンオフ)で大好きだったエイミー(POIは全然見ていません)。
ClexaConを一言でいうなら、天国でした。自分がしたい服装で、周りの目は気にならず(みんなLGBTQやアライでそれぞれの番組が好きなオタクだから)、批判的な人もおらずフレンドリーで、自分に嘘をつかずに居られる空間だったので。普段から自分を偽っていないつもりの私でも、大げさではなく、セクシャリティを含めてすべてにおいて視点が変わりました。今後、少しでも興味があるなら、LGBTQ+なら特に、一度と言わず参加を真剣に検討することをお勧めします。
で、そのパネルが個人的にとっても興味深かったので、箇条書きゆえなんのこっちゃ、ですが、今更ながらメモを置いておこうと思います。(理解できた範囲で、Q&Aも含みます)
「GL101:百合と少女愛アニメや漫画入門」
百合と少女愛の違
- スライドでの紹介例は、「セーラームーン」「Girl Friend」「青い花」「ささめきこと」「NTR」「ラブライブ!」「ラ
ブライブサンシャイン」「ストロベリー・パニック」「Citrus」「魔法少女まどかマギカ」など。 - 米国ではキス以上ありが「百合」、キスなしの淡い恋、友達以上なのが「少
女愛」カテゴリー。 - だから「ラブライブ!」も少女愛カテゴリー。サンシャインは「超ゲイ
」カテゴリー(百合)。 - 「ストパニ」は超ゲイカテゴリー。百合。
「視覚化とアセクシャル」
- アセクシャルは相手に性的魅力を感じない。
- アセクシャルは反社会的なわけではない。
- アセクシャルでもみんな同じではない。
- 『ビッグバンセオリー』のシェルドン、『デクスター』のデクス
ター、など男性キャラが目立つ中、2012年『Dr. House ハウス』シーズン8に登場した患者、ケイラは「アセクシャルらし くない」普通のブロンドの女性として演じられた。 - 2年前までアセクシヤルは病気認定されていた。
「早期のゲイTV番組から現在のTV。レズビアンの広告やキャラ
一番大きい会場で、『Gilmore Girls』などの人気番組製作関係者によるパネル。
- 『The100』でクレサが殺されたからクレクサコン(Cle
xaCon)ができた。 - ゲイキャラクターを描くことは昔は許されていなかった。
- 2004年でもレズビアンキャラは煙たがられた。
- 「もうすでに1つゲイの番組あるから」と断られたこともあった。1つずつしかだめなわけ?
- ネットワークのご機嫌とりをしなきゃならない。
- レズビアンのシーンを撮る際、たとえば、キス→寝転がる→ベッドで膝つく、といった具合に、その都度オン
エアできるように変えなければいけなかった。ベッドで膝をつくの はいいけど、ベッドに寝るとノーが出た。(会場爆笑) ブラはどうか?タンクトップで見せるのは?など細かく注文に沿う ようにしていった。 - LGBTキャラでも、(異性愛者と変わらない)普通の人として描写を心がけている(し、そう
したい)。 - エレン・デジェネレスのカムアウトで勢いづくかと期待したけど、
だめで、当時のバックラッシュに驚いたし、しばらくゲイキャラ登場につ いてはおとなしくなった。 - 配信型の番組には現政権の影響は出ないと思う。なぜなら視聴者
はコンテンツを求めているから。 - コンテンツを作る側はお金のためにやってない (人もいる)。
- 配信型だと見たい番組を見られるから若年層にはオススメ(カムアウトしていない家族と一緒に見られなくて困るなどの点で)。そし
てLGBT番組をオススメする時はその部分を伏せて説明すればい い! - コンテンツを作る人がいて、(ネットワークにかけあって、)
パイロット版をなんとかして作る人がいて、視聴者に応えるサイクルがある。 - レズビアンの方がターゲット層が増えた (ゲイ男性の需要が主にゲイ男性だけなのに対して、レズビアンは
女性やシスヘテ男性にもあるから)。
- アライとは各プラットフォームを駆使して、人の声を広げられる
こと、(でしゃばらず)黙る時を分かっていること。 - 『The Good Wife』のカリンダ(Flexibleなセクシャリティ)の描写について
- 当事者の声を代弁してしまわないこと、置き換えないこと、声(意見)を遮らない
こと。 - 昔は役者が(偏見を恐れるなどの理由で)LGBTの役を避けていた。
- クレクサのくだり、非当事者が問題が見えていない状態で「これ
でいい」と決めつけてしまう衝撃。権利(entitlement)の感覚問題。 - シスヘテロ(自認している性と身体が一致している異性愛者)からの目線で描いた「これでいいんだよね」(が見られるが、してはいけない)。
- 色んな理由で番組からキャラを消すことがあるが、「LGBTだからいいか」はキャ
ラが死ぬ理由としては最低。 - クリエイティブに対して責任を持たないといけない時代。
- 教養があるのに、アライであることの意味をわかってない人たちがいる。
- アライとしては、個人がどう思うか、感じるかを知りたいと思う。
- ノーマライズしてしまうことの恐れ。
- 「特権があると、(訴えを起こす当事者などに)攻撃されてると感じる」人たち
- アライはどのマイノリティにも必要。
- 自分の経験をシェアしなきゃいけないはずはない。
- Straight white person (白人特権階級) やアライと認識していないゆえに、耳を傾けていない人たちにも気づ
いてもらえるように発信の仕方を変えたりする。 - ツイッターでロムしてる人への影響。その流れを見てる人が(当事者で)不要に傷
つくかもしれない。「あなたがその立場ならどう思う?」と建設的 に会話を進めるようにする。 - 1人じゃなくて大勢のアライが、いればいるほど良い。
- リアルではありえない、実在しない空間(ストーリー)でのLG
BTキャラをどう思う?「SFや魔法ものや弁護士などでLGBTが活 躍すると視聴者は「こんなこともできるんだ」と思えるので、必ず しも非現実的だとか悪いことではない。TVなどのジャンルはこれから の社会的な位置を描くことが可能(たとえば『スタートレック』) 。 - そういうキャラを当事者が書かなきゃいけない状況であるべきで
はない(誰が書いても正しく描けるべき)。 - HIVポジティブのゲイ男性が、昔あったリアリティ番組『Real world: San Francisco』に出演して以来、ゲイに対するメディアでのイメージがそれ以前よ
りもポジティブに変わった。 - 当事者の声を代弁せずそのまま届けること。
- 当事者の割合とメディアでの扱いに差がある。
- 統計に現れていない、変化してきているリアルの環境もあっ
て、歓迎する人たちも増えている。(このコメントは娘さんと参加していたお母さんによるもので、感激して私が泣きました)
これのほかに、参加できなかった「有色人種のLGBTQレプリゼンテーション」パネルがあり、最終日に追加で第二回目を開催していたほど大人気でした。(スケジュールの問題で全部を見ることは不可能)次回のClexaCon2018は、パネルの内容もゲストも更に充実して参加者数も増えるでしょう。Speed-datingをもじったSpeed-friendingなんてイベントもあるくらいです(1人で参加しても友達ができるよ)。私としては、有色人種の参加者がもっと増えると良いなと思います。
Wynonna Earp Podcast Tim Rozon インタビュー拙訳
『ワイノナ・アープ(Wynonna Earp)』Podcast:「Tales of the Black Badge」
ドク・ホリデイ役 ティム・ロゾン(Tim Rozon)インタビュー回(71回)拙訳
(全体を通して意訳を含みます。ネタバレあり。)
ホスト:ケヴィン・バチェルダー、ボニ―・フェラー。
ゲスト:ティム・ロゾン
(日本からは Wynonna Earp | Netflix でシーズン1&2が見られます。)
ボニー (B):ティムにはS1でも2回インタビューさせてもらって、今回もS2での展開やティム自身について話してもらったわ。彼は出演者だけど、なにより私たちと同じ『ワイノナ・アープ』のファンなのよね。
ケヴィン (K):その通り。だから、ティムが話し始めると僕たちはただ聞き入ってしまうわけ(笑) それではティムのインタビューをお楽しみください。
B:S1からかなり色々なことがドックの身に起きたわ。まず、ハットをなくしたでしょ。ショーティーズを買ったでしょ。色々あったわね。
ティム (T):それはどういう順位?(笑)
B:どうかしらね!(笑) 前回は、原作者のボー・スミスとコミックに取り組んでて、一緒にインタビューした時だった。
T:そうだね。っていうかちょうど今、彼からメールが来たよ。このポッドキャストを終えたら、彼が送ってきた最終版の「ワイノナ・アープ」をチェックして編集に送る予定。それで「ワイノナ・アープ シーズンゼロ」(コミック)が完成!
K:その話をしていた時は本当に嬉しそうだったよね。
T:S1では番組に携われて、ドック・ホリデイを演じられるだけでも信じられない体験だったのに、さらにボー・スミスと一緒に描かないかって誘われた時は、ただの概略とPRのためだけで、名前を載せてくれる程度だろうと思ってたら、実際にコミックに関われて、コラボできるなんてね。ボーは素晴らしい人だし、良い友達になれたし、いいパートナー関係を築けているよ。彼の考える具体的な方向性を話してくれたりして最初から全力で関わっている。
B:コミックと言えばコミコンには2回目の参加だったのよね?初回と比べて2回目の感想は?
T:うーん、ある意味、すべてかな。ずっと参加するのが夢だったから前回は信じられなくて、とにかく嬉しかった。今年は楽しむことができたよ。参加できるとは思ってなかった夢のような場所に戻ってきたような感覚でもある。フロアを歩いていて憧れの人に話しかけられた時は意味が分からなかったね。あとは知ってるファンに会えたこと。Docstache(訳注:ドック・ホリデイのファンアカの人)に会ったんだよ。あれは一大事だった。今回はEarper(「ワイノナ・アープ」ファン総称)の規模も大きくなってて、家族に会えた感じだったよ。今回のコミコンでよかったことは2つ。1つはメディアもいたけどファンとのパーティ(訳注:meetup?)。もう1つはケヴィン主催の。ライブツイート。ファンも交えて一緒にライブツイートしたのは、家族イベントみたいだったよ。あの夜は不思議で最高な体験だった。放送をみんなで見ながらエミリーはコメントしたり、ツイートしたりして、Dochstacheが僕の隣で僕のヒゲについてツイートしていたり、本当に特別な体験だったよ。
K:あなた自身、コミコンが大好きで、ワイノナ・アープのファンでもあるから、それを知った上で色々と満喫している様子が見られてとてもクールだったよ。
T:そうそう。それとヴァルン(・サランガ、ジェレミー役)がコミコン初体験で会場のエレベーターにさえ興奮してて、面白かったね。(笑)
K:ヴァルンといえば、S2からの登場でジェレミーとドックの関係性について聞きたいと思っていたんだよ。ジェレミーはドックのファンで、その辺り、どうなの?
T:これからの放送分なんだけど、ジェレミーのヒーロー的場面があって、その直後にドックがハットをジェレミーの頭に被せるシーンがあるんだけど。その時に「ヒーローだ」って言うんだ。それを今、思い出したよ。彼はS1のウェイバリー的な立ち位置だと思っている。無邪気な感じがあるでしょ。S2のウェイバリーは無邪気さがあまりないから。もちろんそれは多くの困難と向き合ったゆえにタフに成長せざるをえなかった結果だけどね。
B:ジェレミーはとても楽しいキャラで番組にとっていい変化だと思うわ。それともう1人、ロジータも登場したわね。ドックとロジータの関係性も、見ていてとても面白いわ。ダイナミックな関係性だし。
T:タマラ(・ドゥアーティ、ロジータ役)もそうだね。実は説明に困るんだよね、ドックのロジータへの気持ちとワイノナへの気持ちを、何がどう違うのか、理解しようとしていたから。このシンプルではない関係はすごくいいと思う。欠点のあるキャラ同士が惹かれあうっていう。S1で見られたワイノナとの関係性がS2でもロジータとの間にある。お互いに心に傷を負った完ぺきではない人間として。で、タマラ自身はね、最高だよ。どうやってキャスティングしてるのか知らないけど、ゲストキャラも含めて、みんなやりやすい人ばかりで。タマラも例にもれず、いつも朗らかで機嫌が良くて、楽しく仕事ができる人。ヴァルンも同じだよ。共演者とはカメラが回っていてもいなくても仲良くやれている。他のゲストキャラもそうだよ。彼らって、良い役者でもあり、なによりいい人たちだから、一緒にいることはかなり多い。
B:そういえば、ウィドウ(S2の悪役)の片方を演じているダニ(・カインド)とはすばらしい競演をしているわね。あのシーンの撮影はどんな感じだった?
T:あれは最高にクレイジーなシーンの1つだった。監督はパオロ・バーズマン(Paolo Barzman)。彼はアーティスト派だから色々と考えさせるタイプの監督でね。実は、ダニとはそんなに一緒に演技していなかったんだよね。(ストーリーで)攻撃されて動けない演技はあったけど。あとは他のアクションシーンもあったけど、いわゆる一緒のシーンで演技はほとんどなかった。オフではよく遊んでたけど。
彼女はあのドレスを着て、そこらじゅう移動するわけ。それで、(狭い場所で)ドレスの裾を踏まないようにと思って「脚動かすよ」って言ったんだ。そしたら彼女はこう言った。「顔面パンチするわよ。やさしくしなくていいわよ、世界最凶のウィドウでこれからみんなを殺ってやるってんだから!」それが励ましの言葉になって、お互いに全力でクレイジーな演技が出来たわけ。
K:火花が散るくらい最高だったよ。
T:よかった!でも(番組放送前の)試写ではなくて、ライブで見たからなー。
K:そういえば、S2プレミアの時にみんなエミリーの家で上映会した時にWhisky&Donuts Hangoutに顔を出してくれたけど、エピソードをよく理解したいからTVで見るって早く帰ったんでしょ?それってファンとしてはすごく嬉しい番組への愛だよ。
T:そうだよ。あのね、番組を見ながらライブツイートと番組を見るっていうのは、全く違うことだから。ライブツイートも、もちろん、最高だから誤解しないでほしいんだけど。ええとね、まずはこれ。メラニー・スクロファーノのライブツイートの上手さは尋常じゃない。まるで準備してたみたいに最強ツイートだらけだろ。あんなのについていけるわけないじゃないか。今年のメラニー・スクロファーノ・ツイートには勝てない。だからそんな最強チームと競ったり、他の人とツイートしていたら、見逃しちゃう。『ワイノナ・アープ』はよく出来た番組だよ。すごくいい番組だから、何度でも、むしろ見る必要があるくらい。各回とも3回ずつ。1回目はライブツイートしながらアクションシーンとか、ざっとしか覚えていない。2回目は話の内容がわりと分かる。そして3回目にしてやっと細部にも目が行くようになり、色々と分かっていると次回を読み解くヒントになる。「あれがあーだったのはこーいうことだったか」って具合に。これは注意して見ていないと見逃すことが多い番組だからね。『ワイノナ・アープ』ではすべて計算されて作られているから、偶然はないんだよ。全部意味がある。
K:そうそう。だからファンは見直し(rewatch)でご褒美がもらえる。ただの些細な出番じゃなくて、後々に関係してくるからね。
T:ただ、今シーズンの『ワイノナ』では、驚きの(各回の)エンディングに必要な心構えをCM(に入る)ごとにしなきゃいけない気がするけど(笑) 最初のCMで「いま何がどうなったの?!」となり、その後のCMでも「えぇぇぇ?!?」、からの、その後にまた「なんd!”#”$%&?!」。そしてまた1週間待たなきゃならない。今シーズンはノンストップだね。
B:私もそう思う。私のツイッターTLもそんな感じだった(笑)
(中略)
T:読み合わせした時にさ、エミリーに「ドックの扱いについてはどう?大丈夫かな?」と聞かれたんだ。どうって、どういう意味?、と聞き返すと「この展開は意地悪すぎかしら?」と言うんだ。第一に、製作総指揮者にキャラの扱いについて意見を求められるほど大切にされてることに驚いたし、第二に、全然大丈夫だった。今のドックのワイノナへの気持ちが見てとれたから。彼女がどういう存在なのかがはっきりしたでしょ。そんなことはあったよ。意味分かるかな。
B:分かる分かる。それってシーズン1&2を通してエミリーがやってることよね。善と悪のあいまいさを描いている。いい人だと思ってた人がそうとは限らなかったり、見た通りの人ではなかったり、悪としてカテゴリーは判別はできても人柄を知るほど善人じゃないかと思えてきたりする。あれは人の存在感を登場させずに描いたすばらしいエピソードだった。
T:僕は自分が出ていないエピソードにこそ僕のキャラの描写があると思っていて、ドックが登場しなくても他のキャラ同士の会話やストーリー展開から読み取れるものがたくさんあったりする。
(中略)
B:ところであのエピソードでの展開はどうなの?(笑)エミリーがまたやった!感が(笑)(訳注:表現を変えたりして伏せていますがシーズン後半のPodcastなのでネタバレ多いです。ぶった切りですがご容赦ください。)
T:僕は番組をよくするためなら何があっても躊躇いはないよ。ある時、エミリーが「そこまで言うならほんとにやるわよ!」とか言うから、「やるならやれよ!」なんて応戦してたら、あのエピソードの読み合わせの時に、まじかよ・・って顔を上げて最初に目があったのがエミリー。「やってもいいって言ったわよねー!(笑)」って感じの目!(笑)
(中略)
K:メラニーとのキッチンでのシーンについてだけど、涙なくしては見られなかったよ。すばらしかった。
T:どうもありがとう。今年、メラニーと共演できたことは最高の経験だった。これからもこんな経験はそうそうないかも。僕は「役者」じゃない(ぽくない)しそれほど演技について考えないから、メラニーほどのアクターと演技して、キャラの境遇を一緒に乗り越えるっていう体験から刺激(inspired)を受けずにはいられなかったよ。友人であり、共演者であり、シーンパートナーであり、ほぼ間違いなく大好きな相手。そんなメルとの仕事はすばらしい体験だったし、この先そうそうないと思う。メラニーにとっては今年は本当に大変だったと思うよ。でも僕にはすごくよかった。だから・・もしまたやれるというのなら・・・?(笑)
B&K:あはは(笑) あ、うちらは何も言ってないよ。何も言ってないから、そこ、覚えておいて(笑)
T:他の人にとっても大変だったと思うけどね?(笑) いやでも、メルは本当に良いアクターだよ。彼女は必ず準備ができている。だから、こちらも準備ができていないと大変。アクションの声がかかったら、色々(演技的に)投げてくるから、応じられるようにきちんと演技しないと、良い芝居を逃すことになる。彼女はすばらしいパートナーだよ。特別な経験だったし、刺激的。僕には彼女のやってることをマネできないね。
B:今年の撮影は、実際に妊娠してたメルが相手だったからやりやすかったって言ってたわね。(訳注:妊娠はネタバレの1つで肝ではありますが損ねないと思うため独断で伏せません)
T:その通りだよ。メルがリアルに妊娠してたからこそ色んなことに自然とより感動できて、刺激も受けた。演技に関して一番大事で、注意していることは、真実味を持たせること。でしょ?だからシーンも極めてリアルだったし、メルの8ヵ月のお腹に手を当てれば、もちろん赤ちゃんが蹴るのを感じられた。それは台本では書けない美しさだよ。
K:そうだね。その話もポッドキャストでしたよ。これから見直す時は、ぜひ音量を下げて表情に注目してほしい。ティムのそういうドックの役作りや、演じることに対する姿勢もファンにとってはありがたいことだよ。
T:ありがとう、好きなことをやり続けるよ(笑)
K:感動的なことといえば、インタビューしている今日はドックホリデイの誕生日なんだよね。
T:ほんとだよ。クレイジーだよ!(笑)
B:Docstacheからの質問なんだけど、「ドック本人に質問できるとしたら何を聞く?」
T:えーっ、それ知ってたら歯医者にまつわる質問を考えておいたのに!(笑) 彼は歯科医だからね!うーん、良い質問だな。じゃあ、「自分を演じられてることをどう思う?」
K:いくつか他にもファンからの質問があるんだけど、「『ワイノナ・アープ』以外のコミックの世界に住めるとしたら、どれがいいですか?」
T:おー。僕のことを知っている人はシルバーサーファーオタクだって知ってるけど・・どうかなー。アーチーかな。Netflixのはまだ見ていないけど、『Riverdale』はどうなってるのかな?知ってる?
B:あー、私、ワイノナファンだから、ワイノナ・アープしか見てない。(笑)
K:(笑)
B:色々と面白いのがあったから選ばなきゃいけなかったんだけど、私のお気に入りはツイッターからのこの質問。「撮影の待ち時間中は何をしてますか?」
T:僕はどこでも寝られる体質なんだよね。出演者の椅子でも、BBDオフィスでも、自分のトレイラーに戻っても。寝れる。寝てる。読書か、セリフを覚えるか、寝てる。
K:別の質問。「ドック以外で有名人や有名キャラを演じるとしたら誰ですか?」
T:僕は昔からシャーロック・ホームズのファンなんだ。それか昔ながらの探偵。
B:「放送済みのエピソードの中で一番衝撃的だったシーンは?ドック以外でも構いません。」
T:どれもショックだよ。お気に入りのシーンはあれだね。読んですぐにドミニクに連絡したくらいの。あのシーンのセリフは本当に美しかった。あれが「ワイノナ・アープ」そのものだから。最終的に、僕がこの番組で一番好きなのはアープ姉妹の姉妹愛。姉妹の絆がすばらしい。だから、あれを読んだ瞬間の衝撃はすごかった。崩れ落ちたよ。
B:あのセリフは「今週のベストセリフ」にもなったくらいだからね!Earperの反応もよかった。
T:Earperについては心配ないよ。僕がEarperだから。僕が良いと思ったものはだいたい他の人にも好評みたいだし。
B:あなた相手にはヒゲについても聞かないといけないと思うんだけど(笑)、ヒゲのお手入れについていいアドバイスはある?
T:ああ、ガンターって言うメイクアップアーティストだよ。(笑) 僕は触らない。4ヶ月伸ばしてるだけ。伸ばす決意はいるけど(笑)ヒゲが嫌だってことじゃないよ、全然。
K:改めてインタビューさせてくれてありがとう。
T:いつでも呼んで。
B:そんなこと言ったら本当に毎週呼ぶから気をつけて!(笑)
終わり
Wynonna Earp Podcast WayHaught s1 インタビュー拙訳
『ワイノナ・アープ(Wynonna Earp)』Podcast:「Tales of the Black Badge」
WayHaught s1 インタビュー回(20回)拙訳
ウェイバリー・アープ役 ドミニク・プロヴォー=チョークリー(Dominique Provost-Chalkley)& ニコール・ホット役 キャサリン・バレル(Katherine Barrell)
(全体を通して意訳を含みます。ネタバレあり。)
ホスト:ケヴィン・バチェルダー、ボニ―・フェラー。
(日本からは Wynonna Earp | Netflix でシーズン1が見られます。)
ケヴィン(K):これはS1の最終回直前に収録されたもので、S2決定などの公式のニュースは何も知らない状態でインタビューしているので、質問の内容はその時点のものだと覚えておいてくださいね。
(中略)
ボニー(B):ファンがすごい勢いで増えているけど、どう?
キャット(KB):そうそう、ファンの数は膨れ上がってるけど、画面を通してしか見ていないから、正直、実際にみんなと会ってから実感すると思う。ドムはどう?
ドミニク(DPC):すごい勢いよね。毎週、回を追うごとにWayHaughtファンの数も増えていてびっくりする。でもなぜかはよく分かる。とても嬉しいことよ。これからWonderConでファンに会えるのも楽しみ。
B:ファンのリアクションで予想外だったことはある?たとえば、ニコールの身体の部位(手、髪型、制服のハットなど)のアカウントが12個くらいあったり?身長差とか、たくさん萌え要素があるようだけど。
KB:あー、それ(身体の部位アカウント)はまったくの予想外だったわ(笑) それで、そこから会話が始まったりしていて、見ていて面白い。
K:2人にとってニコールとウェイバリーの関係性を正しく表現することがとても大事だったって言っていたよね。
DPC:撮影していて話の流れはわかっていても、実際にどういった出来になるのかは見てみないとわからない。キャットともよく話し合ってやっている。狙い通りに見せられたと思う。実際にポジティブなファンの声を聞いているし、とても特別なこと。キャットはどう思う?
KB:私もそう。完全に同意。期待以上なくらい。見てくれた人の力になれているし、勇気づけられているって。誇りに思う。
B:個人的にもファンから聞く話では、TVで2人のキャラクター描写を見ていて自分を受け入れられるようになったとか、勇気を出して恐怖心に向き合うことができたとか、みんな良い影響を受けているわよ。
DPC:この番組に携わっていて一番好きなことは、個人的にどういう風に影響されて、(内面・外見的に)変われたってファンの声を聞くこと。
KB:ドムの言う通りで、番組が誰かの人生にポジティブに影響しているってのが最高。
でも初回から時間が経ってからファンには2人のシーンが見られるようになったわけで、それってむしろ役者として、黙っているのってけっこうつらかったんじゃない?
DPC:そうねー、ある程度はそうとも言えるけど、待つ価値はあったわ。話の流れでこう発展していくわけで、見てもらえたらファンにも喜んでもらえるって分かっていたから。
KB:いつ出るの?どうなるの?って聞かれたこともあったけど、ちゃんと出てくるから!って。待った分だけ満足感もある。(訳注:WayHaughtカウチgifをどうぞ)
B:なるほど。それと、ウェイバリーがワイノナに「I love her」って言うあのシーンもそうだけど、ニコールが!BBD(Black Badge Division)に入ったわね!!
KB:イェーイ!あれは私もすごく嬉しかった!!毎週みんなと一緒にニコールが今後どういう位置づけになるのか気になっていたから、ニコールの希望がかなって私もすごく嬉しかったし、これからの彼女の活躍が本当に楽しみ。
B:シーズン2でのニコールの活躍に期待ね。
KB:ええ。何が起こるのか知らないけど(笑)、何が起こっても楽しみよ。
B:さて、ドミニク、ウェイバリーは、シーズン中にかなり様変わりしたわよね。
DPC:そうよね~(笑)
B:これまで彼女が自分を知る過程が描かれてすごくよかった。自分が何者なのか、今までより自信がついて勇敢になったしね。でも、驚くべきことに、最終回で?!もしかしたらウェイバリーはアープ家の人間じゃないかもしれないですって?!
DPC:びっくりよね~?!可哀そうなウェイバリー・・どんだけクレイジーな展開なの!私も脚本を読んだ時は、質問だらけだったわ(笑)面白いことになりそうね。
自分で演じてるわけだけど、放送を見てると、彼女って色んなことを乗り越えてきている人で、私も応援したくなる(笑) 私がウェイバリーくらいの年で、あんな勇気があったら、それは楽しかったでしょうね。困難を乗り越えてきたし、すべてが順調でニコールもいるし、と思ってたらあんな大事件よ。まちがいなく、少しは昔のウェイバリーに逆戻りするでしょうね。彼女のことだから、結論は出すと思うわ。
B:そして、あの最後のカット。
(全員:OMG)
fandomは邪悪なウェイバリーに耐えられないと思うの。
DPC:でしょー!どんな反応されるんだろう。みんなに嫌われちゃう。いやでもね。最高のクリフハンガーよね。先日、自分でも最終回を見たけど、やー、いい顔してた私(訳注:「So.Good.」)。すごく気味悪かった。今後について何にも知らないし、まだエミリーと話してないけど、どうなるのかすっごく楽しみよ。多少の邪悪さを演じるのって楽しいじゃない。そりゃまぁ、もちろんウェイバリーには最終的に良い子でいてほしい。
B:あなたって実際にはすごくいい人なのに悪役なんて信じられないー。
DPC:(笑)役者ってそこが良いところよ、挑戦できる所がね。
K:シーズン1で演じて気に入ったことは?
DPC:キャットからいく?
KB:うー、ちょっと考えないと。ドムからどうぞ。
DPC:わかった、たくさん喋るからじっくり考えていいよ(笑) ウェイバリーはガーリーでいてかっこよく(Badass)もあるところが大好き。いいことなのよ。私はこれまでの人生でたくさんの強い女性、それも外見も様々でいろんなタイプの女性を知ってるから、「強い人間でいる」っていうのは型にはまっている必要がないのね。それってウェイバリーも同じなの。ガーリーでキュートで愛らしい人だけど、同時に強くて、超かっこよくてクールでもある。そこがウェイバリーを演じていて一番好きなところね。って話しすぎたかなーこんな感じでいいかなー?(笑)
B&K:大丈夫。
KB:私はこれまで不安だったり苦悩しているキャラを演じてきたけど、ニコールを演じるのはチャレンジだった。役者として、シーンの演じ方が気になったり、うまく表現できているかとか悩んだりするけど、なんとか自分なりの答えを出さなきゃいけない。ニコールは自信があって、常に落ちついているけど、逆に現場ではキャサリンとしては全然自信がなかったりすることもあった。だからニコールの世界を見るのは役者としては大変なこともあったわ。
B:シーズン2に向けて願い事をするとしたら?
KB:ニコールはいつも落ちついているから怒っているところが見たい。混沌としているなかでニコールならどう対処するのか見てみたい。
DPC:ウェイバリーはこれまでも色んな経験をしているからねーそうねぇ。ウェイバリーがゲイであることを彼女にはしっかり認識してほしい。あんな小さな、誰もが知り合いのような町でゲイだということがどう作用するのか。あとは・・ウェイバリーが悪い人になるなんてほんとは見たくないけど、彼女の中にはまだまだ未知の部分がたくさんあると思うから、色んな側面を演じられたら楽しいかも。この邪悪なものが何かまだ不明だけど、善人としての彼女と邪悪が対決したりしたら、面白いかも。
B:どれも良い答え!私は2人にただ酔っ払ってほしいわね(笑)
DPC:メラニーと3人でね、飲んでるシーンね
KB:あー超楽しそう
B:ドム、以前インスタグラムで「死ぬ前に(空欄)はしたい」ってのを投稿してたわよね? 2人の答えが知りたいわ。
DPC:あれかー、my love、あなたから答えて(笑)
KB:「原っぱで馬に乗って(訳注:聞きとれない)」かなぁ(笑) あとは外国語を学びたい。多分フランス語。
DPC:私はやりたいことが多すぎるんだけど(笑)「旅したい」が一番だと思うな、大きい意味で世界を見て回りたい。
B:たとえばどこに?
DPC:一番はインド、アジア全域、・・実は行きたくない国ってあまりないんだけど(笑) できることなら、『ワイノナ』が大成功して各国に連れていってもらえたらいいな!(笑)
B:じきにそうなるはず。
DPC&KB:っていうか本当に世界中の人から感想を聞くのよ。すごいことよね。
(訳注:ドム「どうやって見るのかしらね?!」キャット「やー知りたくないわ(苦笑)」とこぼしてる。)
B&K:ファンはそれぞれやり方があるの!Earperマップを見たことある?世界中にいるわよ。
K:最近は撮影もライブツイートもひと段落して自分の時間はある?そもそも休みなんてあるのかな(笑)
KB:できれば休みはないといいな。私はいくつか待機してるプロジェクトがあるし、自分のプロジェクトも抱えてるから、
DPC:忙しいね、
KB:そうそう。あ、忙殺されていたいわけじゃなくて、クリエイティブでいたいってことね。取り組んでいることがあると楽しいから。
DPC:わかるわ。私は金曜日の夜の過ごし方がわからなくてナーバスになってる。(笑)(中略)毎週のライブツイート、とても楽しかったし、大事だったからね。まぁ、私の場合はトロントでの生活に慣れて、シーズン2決定のニュースを願って、決まったらあっという間にカルガリーに戻る。でも、キャットの言う「休みがないのが夢」っていうの分かる。
KB:『ワイノナ』のファンベースって増え続けているわよね。まだこれから語るべきことがたくさんあるし、ファンも勢いづいているから止まりたくないわ(笑)
B:もしこれで終わったら、の話だけど。この作品作りから得たことは何?
KB:ドム?どう?
DPC:そうねぇ。大げさに言いたくないけど、人生が変わったのよね。この番組で出会った人たちには仕事の枠を超えたレベルで刺激を受けたし、世界の見方が変わったの。ほんとに。大げさに聞こえるかもしれないけど本当にそう感じてるから、作品に関わったことを誇りに思う。言いすぎ?(笑)
KB:『ワイノナ』は強い女性を描いている作品だし、とても刺激的な現場なの。女性が引っ張っていく作品作りをしたい思いを新たにしたわ。この業界における女性に対する見方や典型的な女性像を変えられるかもしれないって。女性が主人公の作品に関われて刺激を受けている。実際、高評価で、ポジティブなリアクションをもらえているし、もっとこういうコンテンツを見たいっていうハングリーな声もたくさん聞く。こういう種類の作品をもっと送りだすべきだと思う。
K:その通りだし、僕らもそうそう消えるつもりはないから、2人もソーシャルメディアでもがんばってね。ファンはとても楽しみにしているから。
DPC&KB:もちろん。
B:忙しいなか、時間を割いてくれてどうもありがとう。
DPC:や、ほんとにまた呼んでくれてありがとう。かなり調整しなきゃいけなくて申し訳なかったけど、どうしても話したかったから、私たちをまた呼んでくれて良かった。本当にありがとう。ファンにも感謝してる。
KB:その通り。2人の活動にも感謝しきれないわ。Whiskey&Donuts(放送後のEarper感想会)を開催してくれたり、本当に色々やってくれて、2人のおかげよ。『ワイノナ』のチームもみんな感謝してる。
K:どうもありがとう。
B:まだこれからよー!
終わり